7.西出川橋梁 伊賀市西山
レンガアーチ(JR関西本線) Map
予期せぬレンガアーチに気を良くして、それなら全部の川をチェックしようという気になる。ゴルフ場の東側に回りこむ。次の川沿いに下って行く。ちょうど西山窯のすぐ西下である。特養福寿園も直ぐ近くにある。西山窯の西側には草道が下の方に降りている。一番下まで来ると強烈な竹薮である。何も見えない。四苦八苦薮と格闘するとやっと壊れかけたレンガアーチが見える。岩にへばりつくようにして下へ降りる。それにしても、このアーチの壊れ方は何か違和感がある。2重がスパッと切れたように欠けている。通常、このようなきれいな壊れ方はしないと思うのだが。バイクの所まで戻った時には汗びっしょりである。
11.烏谷川橋梁 ねじりまんぽ  伊賀市柘植町
レンガアーチ(JR関西本線) Map
大和街道橋梁からさらに旧R25を引き帰す。池を二つ過ぎると目立たないが橋を越える地点がある。竹薮である。竹が皆アーチを描いて川に向かってしなだれかかっている。腰をかがめてそのアーチの下を掻い潜ると難無く川底に降りられる。日当たりが悪く薄暗い。直ぐ目の前に黒々としたレンガアーチがある。ねじりまんぽである。今日のメインである。ここも予想に反してあっけなく到達である。今日は3脚を持ってきた。やはり効果絶大である。横で撮る場合はバッチリだが、縦で撮る場合は工夫がいる。3脚を壁面に押し当てて撮影。生で見るねじりまんぽは薄暗く、ねじれ具合が今一ピンと来ない。しかしフラッシュ撮影した写真はかなり良く撮れている。南山城の第248号橋梁に比べて、こちらはやや幅広である。そのせいだと思うがねじれ具合がおだやかである。端部処理も248号とは異なり壁面と面一になっていて迫力に欠ける。あるいは侵食されているのか。 径間4.23m、内高約4m

2009.05.02 蛇谷川橋梁チェックの後、立ち寄ってみた。1年前とあまり違いは無さそうだ。
1.小狭間川橋梁
レンガアーチ(JR関西本線) Map
伊賀市島ケ原
月ヶ瀬口からR163をさらに東に進むとやがて島ヶ原地区に出る。駅前を少し行くと島ヶ原支所がある。その左手に広いPがあり小川が流れ下っている。その川沿いに少し上流へ進むと直ぐにJR法面に行き当たる。そこに小さな3重レンガアーチがある。
径間1.24m、内高1.65m
3.東高倉橋梁 伊賀市東高倉
レンガアーチ+石桁(JR関西本線) Map
新居小から東へ約500mで近鉄伊賀線新居駅がある。そこを北に向かって(伊賀上野駅方向に)細道がある。その細道を行くと正面にJRが走っており、たんぼの向こうに何やら溝らしき物が流れている。近づいて覗き込むと、実にかわいい3重レンガアーチがあった。内部には石桁が敷かれているようだ。
径間0.76m、内高1.48m
5.第234号橋梁
レンガアーチ(JR関西本線) Map
伊賀市島ヶ原
R163から、やぶっちゃランド・やぶっちゃ温泉の看板に従って北へ入る。木津川を越えるとやぶっちゃランドだ。通り抜けて、JRを越えて右折、下った所の小川に第234号橋梁は架かっている。その先をぐるっと左に回って、道路橋の下を潜ると目の前に見える。2重レンガアーチ、壁石は平行積み、珍しく要石がでんと居座っている。壁石のアーチ周りは例の意匠である。元々は小川だけであったと思われるが、小川を2/3ほど覆う形で道路が組み込まれている。内部はあまり雨漏りや傷が無く実にきれいだ。
径間3.64m、内高約3.8m
6.島ヶ原東橋梁 伊賀市島ヶ原
レンガアーチ(JR関西本線) Map
234号橋梁から、その先のゴルフ場を東へ越えるため道を進む。一丘越えるとまた小川がある。そのまま通り過ぎたが、待てよ、と思い引き返す。贄田さんではないが、この小川の先には先ほどのJRの線路がある。ひょっとしてと思い、薮の中を川沿いに下って行く。やがて、線路の法面に到着。しかし上の方から強烈な日差しが降り注ぎ、目の前の様子が真っ暗で見えない。しばらく目を凝らすと黒々とした石積みアーチが浮かんできた。ぐっと来るものがある。右手で小さくガッツポーズ。川底に飛び降りると、それは小さなレンガアーチであった。
径間1.83m、内高約2.65m
9.藤堂藩藩校崇廣堂門前橋
10.崇廣堂東門前橋
桁 / 桁 Map
伊賀市上野丸之内
帰りに伊賀上野城を一目見ておこうと周囲をぐるりと回る。城の南西には上野高校と崇廣中がある。ちょうどその間、中学校の南側に藤堂藩藩校崇廣堂というのがある。その門前に桁橋がある。さらにその直ぐ東には東門がありその前にも桁橋がある。しかし、こんなに接近して2つも門があるのはどうも訝しい。ひょっとして、今は閉ざされている東門がかつての正門ではないかと密かに思うがどうであろう。門から中を覗くと受付のおっちゃんがパッとこちらを見た。見物客かと思ったのであろう。入場料を払ってまで中に入ろうという気にはなれない。
8.(仮)湯蓋橋梁 伊賀市西高倉
レンガアーチ(JR関西本線) Map
さらに、線路沿いに東へ進む。やがて線路の北側に広大なニュータウン造成地が広がる所がある。そこにも小さなレンガアーチがある。これは道路から良く見える。でも、水は汚く、とても降りる気にはなれない。結局、島ヶ原から西高倉にかけて新規3基発見である。本来ならもっと東まで予定していたのだが、気分がいいところで今日は切り上げることにする。 径間1.22m、内高3.35m
12.第二後黒見橋梁
レンガアーチ(JR関西本線) Map
伊賀市柘植町
予定が全て終わったので帰ることにし、まだ13時なのでちょいと探索をしてみる。最初のJR方面への細道に入り込む。何と、その先にレンガアーチを発見。ニヤリである。ここは跨道橋かと思いきや、向こう側に抜けてみて分かったが、川を完璧にRC床版で覆っていた。  径間2.58m、内高2.4m
13.山の田川橋梁 伊賀市柘植町
レンガアーチ(JR関西本線) Map
気を良くしてさらに線路沿いに細道を進む。何のことは無い、次の小川に架かるのもレンガアーチである。ただし、南側はRCで覆われている。北側に回りこんで誰も踏んでいない雪を踏みしめて近づいて見るとレンガアーチが見える。直ぐ西側は柘植駅である。 径間2.12m、内高2.7m
16.柘植町桁橋
伊賀市柘植町
さらに西へ進むと右手にかわいい桁橋がある。立派な門は閉じられたままである。売家の看板があったような。この辺りはこの他にも桁橋が一杯架かっている。大和街道であっただけにそういうのが残っているのだろう。
2013.03.16(土)晴れ 今日も暖かく絶好の探索日和。先週の暑さに懲りて、うんと軽装で臨むも、やっぱり汗びっしょり。今日は、くるまみち様発掘による京都の残りと伊賀市内のレンガアーチを中心に巡ることにする。
32.木々田川橋梁 伊賀市島ケ原
レンガアーチ(JR関西本線) Map
久し振りで、木津川市からR163を東に向かう。この道路は、信号が少なく延々と木津川沿いを走る快適な道路である。島ケ原支所からR305に入り、さらに集落から抜けるように右手細道へと入って行く。直ぐに踏切を越え、その先ライスセンター前にP。南側に小さな谷を越える築堤が見えている。谷の西側に谷川が流下っているので、その先が気になる。前回の探索では気が付かなかった場所である。谷には小さな田んぼが数枚あるが、谷川沿いにイノシシ侵入防止の鉄製フェンスが置かれており、藪と併せて微妙に難儀する。そこをクリアすると目の前に、レンガ壁面に囲まれて4重レンガアーチが現われる。わずかな染み出しはあるもののきれいである。下流側程深さが深くなっていくので、見た目以上に川底には傾斜が付いているようだ。中を鋼製の水道管様のパイプが2本貫いている。 径間1.83m、内高上流側2.4m

うまい具合に列車が来ました。築堤右下にレンガアーチ
2014.06.25(水)晴れ。 今日は梅雨の中休み。と言っても、雨らしい雨が降ったのはわずかに3日ほどで、どんよりとした日々が続くのみだったのだが。O氏情報によると、松阪市浄林寺参道橋は、なんとなんと輪石アーチだと言う。正にホンマカイナーの世界であるが、これを確かめるべくR166高見峠を越えて伊勢方面へ降りて行く。
38.上瀬橋 (高瀬橋) 伊賀市比土
10径間桁 Map
松阪市を後にしてR165を戻ることにする。青山峠を西へ越えて伊賀市域へと降りて行く。途中近鉄大阪線はしばらく築堤区間が続くので、予めチェックを入れていた怪しい所を辿るも、これが全てRCBOX。伊賀神戸駅の東側を木津川がゆったりと流れている。近鉄鉄橋から300mほど上流に高瀬橋と言う沈下橋が架かっている。上流側から確認すると、10径間の内3径間で石桁が見えているが、実際どの程度石桁が残されているかは分からない。橋の東側には架設記念碑が建っているが、正式名は上瀬橋のようだ。
伊賀神戸から名張を抜けると空が急に暗くなって来て、大粒の雨が落ちて来る。雨合羽を着るほどでも無いのでそのまま走り続けると5分ほどで黒雲の下を脱出。ところが、桜井へ降りて来ると再びバチバチと落ちて来る。やっぱりこの時期、午後になるとあちこちで積乱雲がモクモクと盛り上がっており、バイク屋泣かせの時期である。
2.南沢橋梁 伊賀市西高倉
レンガアーチ(JR関西本線) Map
JR伊賀上野駅から真西方向約1.5km地点に新居小(にい)がある。そのさらに500m西、JRの下を溝が流れている所がある。6本の金属製フラットバーで補強されたレンガアーチがある。 径間1.81m、内高2.82m
4.西平尾跨線橋
レンガアーチ(近鉄伊賀線 Map
伊賀市上野桑町
近鉄伊賀線は上野市駅から南へはぐるっと90°向きを変え、広小路・茅町・桑町と停車して行く。茅町と桑町との間は小高い丘陵地帯となっており、伊賀線は掘割のような所を突き抜けて行く。ちょうど中間点付近に岡波総合病院がある。その南側の道路が伊賀線と交叉する所に見事なレンガ跨線橋が架かっている。道路がほんのわずか斜めに架かっているために壁石部分を互いに張り出させて対処している。アーチ部分は直角に交わっている。このため、斜めから見た時に独特の風格が出ている。高欄は重厚な造りで、レンガを十字状にくり貫いた透かしを入れている。
14.都美恵神社参道壱之橋 / 15.弐之橋
桁 / 桁 Map 伊賀市柘植町
柘植町の中心と思われる所に着く。右手に神社参道があり桁橋がある。あわてて左側のスペースに止めると、おっちゃんが近づいてきて、駐在に用があるんか?と聞くので、いや神社の方に、と応えると、今駐在はおらん、と言って神社の方にさっさと歩いて行く。何のこっちゃと思ったが、ふと目の前を見るとミニパトが止まっており、私が止めたスペースは駐在のPだったのである。道理で。参道の中ほどには弐之橋まである。擬宝殊が8個も付いていて、久し振りに見る九州タイプである。
17.丸柱諏訪神社参道橋
Map
伊賀市丸柱
信楽からのR422はちょっとした山越えになる。桜峠が県境になっているようだ。三重県側伊賀上野へ向かう。峠を下るとR422がガクンと南へ向きを変える。それを知らずにそのままT字を通り過ぎてあわててブレーキを踏む。戻ろうとしてふと隣を見ると小さな桁橋がある。その向こうには一対の石灯籠と木製の鳥居がある。諏訪神社とある。ここは丸柱地区だが、さらに先の諏訪地区にも諏訪神社がある。残念ながらこちらはRC製である。
18.芭蕉句碑前橋 19.敢国神社市杵島姫社前橋
桁 / 桁 Map 伊賀市一之宮  あえくにじんじゃ Map
帰りに、同じ道を帰るのもどうかと思い、伊賀一之宮インター方向へ外れる。R676が名阪国道を潜ると直ぐ左手に敢国神社というのがある。ついでに寄って見る。参道入口には芭蕉の句碑が建っており、その前に一枚橋が架かっている。さらに奥へ進むと池に囲まれた朱色の市杵島姫社というのがある。その前に5本桁橋が架かっている。芭蕉の句“手ばなかむ おとさへ梅の にほひかな”これだけでは下々のものにはなんのこっちゃとしか言いようが無いが、実はこういうことらしい。“手ばなかむ”とは、手で洟をかむことでおせじにもきれいなものではないが、静かな中、辺りに漂う梅の香りに春を感じていると手で洟をかむ音さえも気にならないほどだったというものらしい。いやいや、さすが、ばせう翁、奥が深い。
2009.09.05(土)晴れ。今日は夕方歯医者に行かなければならないので、近場、伊賀市の神社のチェックに出かける。先日、森野氏からいただいた情報のチェックと贄田氏の足跡を訪ねることにする。
20.植木神社参道橋
Map
伊賀市平田
R368名張市から北へ向かい伊賀市に入る。私のバイクは名阪国道を走ることはできないので、上野インターから脇道に入り名阪国道沿いに東へ向かう。中瀬インターからR163へ右折。大山田でR2に左折。この時植木神社という文字が目に入る。左折して近付くと赤い金属性の高欄が目に入る。何やー、と思ったが良く見ると桁橋がある。地面に埋められたという感じ。この下に水が流れているのかどうかは分からない。
左手に、ばせう翁の句碑が立っている。参考までに、枯れ芝ややゝかげろふの一二寸。
21.極楽寺五重塔前橋 22.極楽寺庭園橋
一枚桁 / 一枚桁 Map 伊賀市甲野
R2を北へ向かう。次の信号交差点で極楽寺という文字が目に入る。今日は余裕があるので立ち寄ってみる。パッと見た感じでは石橋は無い。ここの本殿は特異な形状をしている。せっかく来たのだから抜けが無いように本殿の裏手もチェックしようと思い右手に進む。すると、一段高い所に石造り五重塔が立っている。その階段下に一枚橋がある。そして、本殿の裏手を北へ抜けると一応庭園風の一画があり、丸い池に丸い島があり、そこへ渡るのに一枚橋が架かっている。
23.春日神社参道橋 伊賀市川東
太鼓桁 Map
さらにR2を北へ向かう。もう直ぐ御代インターという地点の川東地区で川を渡って即右折、東へ向かう。直ぐに今日のメインの春日神社。Pの前には春日寺、ここには何も無い。その左手に神社広場があり鳥居の向こうに擬宝珠が見えている。ゆるい太鼓橋である。近付くと、擬宝珠がデカイ。10個である。側面に回りこむと、上面がゆるく鼓を描く超極太桁が際立つ。この橋のスパンはかなり長い。従って、必然的にこの極太になったのであろう。今まで見て来た中で最大厚の部類に入るであろう。森野氏が推薦してくれた理由が分かるような気がする。この川と石垣と極太桁橋と本殿が描く情景は実にすばらしい。絶妙の配置だと思う。面白いのは、橋の手前でカメラを構えた時にはミンミンゼミ、橋をわたるとツクツクホウシ。まるで棲み分けがなされているようだ。この辺りの民家は造りが独特だ。家の周りを土塁が取り巻いている。それも石垣の上に土盛りをした堂々たるものである。その一ヶ所が切り込まれて出入口となり、そこにこれまた立派な門がある。こういう構えは、今までまずお目にかかったことが無い。極めて特異なケースだと思う。
24.鞆田神社参道橋 伊賀市中友田
Map
御代インターを北へ抜け、さらに北へ向かいR50を目指す。R133から右折すると鞆田神社の文字が目に入る。鞆田小の裏手高台に2本の杉の巨木を聳えさせた小さな鞆田神社がある。階段下に桁橋が置かれている。
25.手力神社参道橋 26.手力神社西橋
太鼓桁 Map 太鼓桁
伊賀市東湯舟
やがてR50に入り北へ向かう。軽ーく峠越えするとR50は西へ向かう。 直ぐに左手に石灯籠が2基、そこを下って行く。鳥居の向こうには横長の池があり太鼓橋参道橋が架かっている。幅も長さも小さいが丸い高欄を含めて全体の造りはなかなかのものである。擬宝珠は6個、内4個は金属製。

その少し右手にも桁橋がある。こちらは直桁であるが、気のせいか中央部が少しだが垂れているように見える。
27.玉瀧神社参道橋 伊賀市王瀧
太鼓桁 Map
R50をさらに西へ進む。その先、滋賀県湖東地区からの帰りに良く利用するR775との交差点の手前に真新しい鳥居がある。玉瀧神社である。この鳥居の下には桁橋の残骸があるのだが、どうやら道路の改修が行われた時に置き場所がなくなったのであろう。鳥居を奥へ辿るとまたまた立派な太鼓橋参道橋がある。ここの配置はかなり変わっている。要するに極太桁を使う替わりに、下に太い直桁、その上に少し鼓を描くようにした直桁を2本載せている。意図するところは理解できるが、あまり感心できる構造では無いような気がする。これだと下の直桁がかわいそうだ。丸い高欄はお見事。
私はここ最近丸い高欄ばかり目にしているような気がするが。琵琶湖周辺に特徴的な型式なのであろうか。
31.波多岐神社参道橋 伊賀市土橋
Map
さらに南へ進むとJR関西本線にぶつかる。JR沿いに西へ向かう。佐那具駅を過ぎてその先、線路横に鳥居がある。すかさず右折、上って行くと細溝を跨いで桁橋が架かっている。これは水路に対して斜橋である。
28.穴石神社参道橋
太鼓桁 Map
伊賀市石川
いつものR775に入り南へ向かう。そのままR49になり、道の駅あやまを過ぎて下ってR674に右折、トンネルを抜けて西へ向かう。下って行ってその先集落の中に右折、北へ向かう。やがて集落を北へ抜けた所に穴石神社。境内は広い。ちょうど作業をしていた人達が昼弁当を使っている最中であったが、中ほどに太鼓橋参道橋があった。
29.陽夫多神社参道橋 伊賀市馬場
Map
R49に戻って下って行く。下り切った所で右折して馬場地区へ入り集落の中を南へ向かう。すると河合小の西で陽夫多神社の文字が眼に入る。やぶたと読む。短い参道の中ほどに細い水路を跨いで桁橋が架かっている。橋の規模に反して高欄がやけに大きい。こういうのも珍しい。
30.馬場の石橋
Map
伊賀市馬場
この馬場地区の旧道沿いには至る所石桁橋がある。ほとんど民家の入口である。道路下に埋もれているようなものもかなりある。その中から一つだけ計上しておく。
33.小田橋梁 伊賀市小田町
レンガアーチ(伊賀鉄道 Map
鵜宮橋梁を後にして伊賀市内まで進む。奈良から甲賀市を初めとする滋賀県南部・東北部地方へ行く時には必ず通過していたのが、伊賀市内のR163西大手交差点。ここはかなりの高台になるのだが、ここを西へ下った所に、鍵屋の辻、という交差点がある。要するに伊賀上野城への西側入り口的な要素を持っている場所だと思われる。何となく、それと思わせるような響きの交差点だが、行ってみると、現代でありながらも何となく当時の面影を色濃く残しているようないい雰囲気の場所である。何と言っても、辻の西北側に立っている1本の石道標が目を引く。我が町新庄にも小さいのは何本か残されているが、これほどの見事な物には初めて出会ったような気がする。夕陽を真横から受け、彫りの深さが幸いして、文字が黒々とくっきりと浮かんでいるのが妙に印象的だ。この辻を北へ進むと直ぐに右手に見事なレンガアーチが現われる。4重アーチの頭頂部には珍しく要石が配置されている。東側の石積みには、おそらく曲げせん断力に因るものと思われる亀裂がある。ここは、結構な交通量があり、何台もの車が潜って行く。 径間3m、内高3.25m

西側です

東側です。亀裂が見えます
鍵屋の辻 Map

鍵屋の辻を西側から見ています。坂道を登って行った先にはお城があります
電柱や道路標識が無かったら、パッと見には江戸時代そのものの雰囲気でしょうね

”ひだりなら道”でしょうか。方向は合っています

隣の面には、”みぎいせみち”でしょう。
伊勢へ行く人はお城の南側を通りなさい、と言うことになります

夕陽をまともに浴びて条件悪しですが、江戸時代の文政13年寅年に建てられたようです。
文政最後の年のようです。
1831年。約180年前ですね。この後は、天保と続きます
もう1面には、世話人の名前があります。
おそらく、
180年前と何も変わらない立ち姿なのでしょうね。石の持つ驚異的な生命力です
34.小田第二暗渠(小田カルバート) 伊賀市小田町
桁(伊賀鉄道 Map
鍵屋の辻北架道橋からさらに北へ、ものの100mほども進めば、カルバートが2基並んでいる一画がある。北側は水路を跨ぐRC製だが、南側は大振りの石桁でびっしりと覆われた重厚感溢れる見事なものである。こうして、新旧2基のカルバートを比較してみると、その与える印象の余りの差に厳然たるものを感ずる。皆さんはどう思いますか。50年後の姿が楽しみですね。ま、勝負はもうついていますが。

西側です
35.田守神社参道住吉橋 伊賀市蔵縄手
太鼓桁 Map
今日の最後は田守神社。私の持っている地図は縮尺がプアーで、現地に行って見ると何の役にも立たないことが判明。仕方無くこちらかなと思う方向に進んでみるものの、どうも違うようだ。陽も沈んで行くし、正に途方に暮れかかっていると、おばちゃんが二人話し込んでいたので、躊躇することなく尋ねてみると、この道を下って行った所ですよ。私はかなり南へ来ていたようで、その道を言われるがままに北へ下って行くと果たして右手に神社はある。しかし、隈なく探しても石橋のかけらも見い出せない。仕方無く帰って調べ直すことにして、その場を去る。そして、今度は西側の真っ直ぐな道路を下って行くと、何やら左手に石の塊が見えて来る。何のことは無い、これが目指す太鼓橋であった。道に迷わなければ、田守神社を目指してこの道路を西から東へ向かって進み、直ぐに右手に御対面だったはず。ま、何はともあれ無事に発見できたことに大きく安堵。小さいが見事な太鼓桁で、周囲をアスファルトに囲まれながらも、その存在はむしろ異様に目立つ。下を流れる水路は3RC張りだが、簡単に潜ることができたので真下からもパチリ。

歩道の上

橋板はわずかに6枚のみ
2013.07.26(木)晴れ。 最近、今一大気が安定していない。今日は平日だが、驚くほど暑くも無く、午前中は雷雨も敬遠してくれるだろうと勝手に思い込み、兼ねてよりの懸案だったレンガアーチ”大崖川橋梁”(三重県亀山市)と”落合川橋梁”(和歌山県橋本市)の大きさ対決を決めるべく大崖川橋梁の計測に向かうことにする。

その結果、径間
7.53m(両橋同じ)、内高約7m大崖川橋梁、約10m落合川橋梁
と言うことで、私がこれまで見てきた中では、落合川橋梁が単径間橋梁の中で最大と言うことになる。尚、両橋ともに大築堤を支えているので奥行きが非常に長い。その結果、空間容積は相当な量になるのが特徴。この圧倒的なボリュームは感動的である。
断っておくが、私の計測は単純な巻尺によるもので、厳密な計器によるものではない。内高が
5mを越えるような場合は、巻尺の出番は無い。従って、基礎石高さを測り、径間の半分をプラスすることで代用していることを付け加えておく。さらに、川床はほとんどの場合で洗掘により深くなるか、逆に堆積により浅くなるかで、本来の川床位置はこの辺だろうと言う曖昧判断をしていることも付け加えておく。
36.(仮)倉部橋梁 くらぶ 伊賀市柘植町
レンガアーチ(JR関西本線) Map
JR関西本線の柘植駅-加太駅間には、これまで10基のレンガアーチが確認されている。今日はこれらの寸法計測にやって来たのだが、その前に、昨夜改めてWEB地図を眺めていると、柘植駅の西方に何やら怪しげな所が2ヶ所あることが判明。最初のR4西側の地点は、残念ながらレンガ橋台で、アーチでは無かった。そして、R4東側にやって来た。集落の中は、どの道がどうなっているのか全く分からないので、一旦線路北側まで行って、そこから線路沿いに歩いて下ることにする。200mほどで現地へとやって来たのだが、ものすごい藪と逆光とで判然としない。でも、何となくレンガ色が見えるような気もする。意を決して飛び降りると、レンガアーチがあった。
径間
1.82m、内高3m

下流側ですが、頭上は緑の屋根で夕方のように暗い

R4南側の斜面を乗り越えて
37.徳永寺門前橋 伊賀市柘植町
Map
倉部橋梁を後にして、R4を最初のキーポイントまで戻り、柘植駅方面へと向かう。すると大きなお寺の屋根が見える。徳永寺とある。近づくと、門は階段の上にある。木陰にPして、何気なく右手前方をみると、桁石が見えている。覗き込むと、階段の下に桁石がびっしりと並んでいる。
徳永寺-龍

角が1本無くなっています

手洗所です。文字が彫られていますが、読めません。排水口は一番奥にあります。
初めてですね、こういうのって