平成2294日(土)快晴。今日は、今年一番の暑さかと思えるような快晴の日である。とにかく空が抜けるように青く、陽射しは強烈である。もう、すっかりお馴染みとなった、中山道柏原宿を左に見、今須宿を右下に見、関ヶ原を越えてR21を東へ進む。中部地方の神社太鼓橋の7回目の探索に出かける。今日の目標は揖斐郡揖斐川町旧藤橋村にあると言われる「藤橋村の眼鏡橋」である。
1.三輪神社参道橋 / 2.参道脇橋
太鼓桁/桁 揖斐郡揖斐川町三輪
今日は、R21が東海道本線を北へ越えるために大きくクランク状に折れ曲がる地点、いつもは軽く通過するばかりであったが、熊野町交差点を左折。直ぐ右折し、スーパー平和堂でパンを調達し北上する。直ぐにR417に入りどんどん北上する。今日のメインは藤橋村の眼鏡橋だが、その途中、ちょと道草を食うことにする。R417が揖斐川を越えるとその先にR303との上新町交差点がある。揖斐川町の中心部だ。そこを直進して直ぐに右折、即左折。その先が揖斐小学校でその西隣に三輪神社がある。体育館横の日陰にP。ここの鳥居は変わった形状をしている。滅多に見ることの無い形状だ。その鳥居の奥に何となく石橋があるような雰囲気がある。なんせ、今日は陽射しが強烈で、日向と日陰とのコントラストが強い。ちょっとした日陰でも真っ暗に感じる。目が慣れると、やっと太鼓橋であることを確認。ゆるく弧を描く。太鼓桁は4本だ。高欄も簡素なもの。その左手には4本桁橋もある。境内は狭い。右手に四角い小さな池があり、中央に弁財天が祀られている。そこへ渡るのに2本桁が架かっている。
3.三輪神社弁財天前橋 2本桁
4.延命地蔵尊東橋 /5.西橋
1枚桁/3本桁
三輪神社北側には道路を挟んでちょっとした広さの池がある。小さな島には延命地蔵尊があり、そこへ渡るのに、東側は大きな自然石一枚橋、西側には3本桁橋が架かっている。
6.華厳寺参道橋 揖斐郡揖斐川町谷汲
2径間太鼓桁
三輪神社から、これまたちょっとだけ寄り道をすることにし、R251を北へ進む。
R40
との交差点に華厳寺の最初の門があるが、今一パッとしない。そこを潜り抜けると、カラーブロックをびっしり敷き詰めた長い参道が始まる。両脇には土産物店がこれまた隙間無くびっしりと並ぶ。途中にいくつかPがあるが、先は長いし、バイクだし、無視してどんどん登って行く。結局、大きな仁王門の左脇を入った所にもPがあり日陰にP。階段混じりのゆるい上り坂を進むと、木漏れ日の中に太鼓橋がある。太鼓桁は3条。2径間である。橋脚下部はRCで固められている。この太鼓桁の橋脚上での接点はクランク状に削られている。高欄の雰囲気も独特である。
本堂に向かって階段下右手には、たぶん三十三所堂と思われるのだが、その正面上部にはかなりの数の彫り物がある。いずれも見事なもので、その懲りようにはあきれる思いがする。雲流の表現がちょとしつこいと思うのだが、そのせいでメインの彫り物の全体像が判然としない。しかし、まぁー、驚きの世界がそこに広がっている。私も、この冬から至る所でこの手も彫り物を見てきたが、ここのはすごい。
2015.10.24(土)晴 久々にくるまみち隊長からのお誘いが入り、某廃発電所導水路探索に行きませんか。で、早速OKですよの返事を送ると、これまた絶妙のタイミングで、大分のO氏からも同じ物件の情報が寄せられる。さらにO氏からは別件も。さらにさらに、隊長からは、それで前日にしつこく東海道本線の気になる物件をチェックしたいんですが。はてさて、結果や如何に。
10.(仮)東横山発電所導水路東杉原水路橋
石アーチ 揖斐郡揖斐川町東杉原
東海道本線の探索を終えて、まだ11時前。ここから通称イビデンの発電所導水路の探索に向かう。まずは東横山発電所の第二沈砂池。なつかしい藤橋城から揖斐川を南へ越える。そこに第二沈砂池がある。現在東横山発電所は水圧鉄管の大改修工事が行われていて、水は全く流れていない。沈砂池の下流側に一筋の谷川が流れ下っており、そこを上面を完璧に塞がれた導水路が跨いでいる。その下には石アーチがあった。いつものことながら、導水路石アーチの石積みは大変緻密で端正な造りである。 径間1.8m、内高1.9m
11.(仮)東横山発電所取水口設備の石アーチ
石アーチ(樋門)
第二沈砂池を後にして、ついでにその少し先にある第一沈砂池及びさらにその先の取水口まで足を延ばす。第一沈砂池周囲には何も無いが、取水口堰堤及びその周辺設備は見事である。要するに、現在は取水していないために構造が良く分かる。大きなゲート設備の左岸側には、たぶん魚道を確保するためと思われる階段水路が設けられており、そこに石アーチの樋門が設置されている。小さいが、周囲の石積みも含めて見事な造形である。

第一沈砂池

第二沈砂池
12.広瀬発電所導水路浅又水路橋
2連石アーチ 揖斐郡揖斐川町坂内広瀬
東横山発電所を後にして、今度は西方にある広瀬発電所の第二沈砂池のチェックに向かう。ここには2連の石アーチがあるとのことだったが、それは、沈砂池の下流側の浅又川を跨ぐ導水路の下にあった。この2連アーチは溜息が出るほど見事である。アーチ下面を見上げると、ひょっとしたら両端部以外は石積みでは無くRCかもしれないが、ここでは石アーチとして分類しておく。アーチは実にきれいな半円を描いており、石表面は微妙に赤茶色に苔蒸しており、何とも言えぬ風格が滲み出ている。いつも思うことだが、こういう全くの人工物に長い年月をかけて創り上げられた自然の力による味付け、これは何とも形容のしようが無いほど見事である。橋脚石積みが微妙に台形断面で踏ん張っているのも、何とも言えぬいい雰囲気である。
13.広瀬発電所浅又第二沈砂池の石アーチ
石アーチ(樋門)
第二沈砂池には二筋の隧道による流入路があり、きれいな水がドンドン流れ込んでいる。ゲートでは、浮かんでいる枯葉を取り除く除塵設備が遠慮するかのようにカタカタとかすかな音を立てながらゆっくりと確実に動作し続けている。このかすかな音以外には全く森閑とした実に静かな時が流れている。その取り除かれた枯葉が落ちる所に小さな石アーチがある。この役目が何であるか、ゲート補修時の排水用なのか、分からないが、樋門設備ではある。
7.藤橋村の眼鏡橋 揖斐郡揖斐川町東横山
2連石アーチ
華厳寺からR40を西へ進むと、やがて揖斐川町中心部から北上するR303にぶつかる。R303を揖斐川沿いに北上する。長短いくつかのトンネルがあるが、久瀬トンネルは特に長く、冷えに冷え、出口付近では震え上がるほどであった。最後の椿井野トンネルを抜けてその先登り坂の頂点から右手に東横山発電所の古風な建物が目に飛び込んでくる。その奥に4本の導水管が流れ下り、下端部に小さく2連の眼鏡橋が見えている。これが今日のメインの藤橋村の眼鏡橋である。この橋の存在を知ってから、既に45年は経っている。やっと、その場所の特定ができたので今回の訪問となった次第である。発電所施設の上に架かっているために撮影ポイントが全く無く、正面からの全体像が撮影できるのはこの1ヶ所のみである。道の駅「星のふる里ふじはし」の北側に旧村道が延びており、眼鏡橋には容易に辿り着くのだが、金網越しの撮影はなんとももどかしい。石橋であることは間違いないと思うのだが、なんせ、表面はRCで巻き立てられているので全く判然としない。輪石の輪郭は石であることを物語っているのだが、その表面もどう見てもRC風である。わずかに要石と2連中央部の鉛直に並ぶ壁石部分がはっきり石であることを確認できるのみ。と言う訳で、長年の恋人にやっと巡り会えた感動とRC巻き立てであることへの失望感とがない混ざった複雑な心境で眼鏡橋を後にした。
新聞記事.pdf へのリンク
2018.03.17(土)晴 明日は、孫達との楽しみなウォーキング。夕方までに娘宅へ到着すればいい。それまでの半日、揖斐川町の山奥へと向かうことにする。東横山発電所の導水路が矢中谷を横切る所の水路橋が石橋だと言う。兼ねてより機会を伺っていたのだが、雪の多かったこの冬もさすがにこの時期雪は溶けているだろう、今日は快晴で風も無く、絶好の機会である。
14.片山八幡神社参道橋
太鼓桁 揖斐郡池田町片山
神護寺善学院を後にして西へ向かう。途中、いくつかチェックするも全て外れ。実は、今日はNAVIが全く目覚めてくれない。地図は持っているのだが、あまりジックリチェックせずにうろ覚えのままR53の北側に入って行く。でも神社なんかありそうにない。さすがに地図をチェックすると、北ではなく南である。その辺りへ行くも、やはり神社は見当たらない。今度はスマホのGoogle Mapをチェック。すると何のことは無い、私の背中側にあることが判明。振り向くと小さく鳥居が見えている。参道を歩いて登って行く。ここは確定情報である。しかし、参道をドンドン登って行っても、そんな雰囲気は全く無い。まさか間違い?と気弱になるも、残るは拝殿の奥しか無い。横を回り込んでみる。すると、そこに、あった。細い谷川が流れ下っていて、そこに立派な太鼓橋が架かっている。久々にお目にかかる太鼓橋と添橋。このタイプは、妙に懐かしい。
15.参道南添橋 16.北添橋
17.片山八幡神社境内橋
8.藤橋城西橋 揖斐郡揖斐川町鶴見
2径間桁
眼鏡橋を後にして、今日は時間に余裕があることだし、ロックフィル式徳山ダムまで足を伸ばした。その戻り道、藤橋城のある一画に立ち寄る。これまで私は、眼鏡橋はこの辺りにあるのではないかと思っていたのだが、全くの見当違いであった。城の西側に広いPがあるのだが、せせらぎの向こうに2径間桁橋が見えている。見た感じはRCである。全く期待はしていなかったのだが近付いて良ーく見ると、現代版石桁橋であることが判明。橋を渡り階段を登ると、その台地の上に城が建っている。そこから北側の歴史民族資料館施設の中を見下ろすと、池への注ぎ口に極太一枚橋があるのが見える。ここの入場券500円也は如何にも高い。200円ぐらいなら入ってもいいかなとは思うが、500円では絶対に入る気になれない。そこでズーム撮影でごまかす。
9.藤橋歴史民族資料館の石橋 一枚桁
18.(仮)東横山発電所導水路矢中谷水路橋
3連石アーチ 揖斐郡揖斐川町東横山
片山八幡神社を後にすると、今日のメインの矢中谷へ向かう。R303をひたすら登る。私はR417と思っていたのだが、表示はR303。ここも実に快適に流れる。やがて、これまた懐かしい東横山発電所と道の駅。でも、チラ見だけでアッという間に通過。さらに北へ登って行く。直ぐに横山ダム。ここからR303が左分岐、やっとR417になりさらに奥へ。これまた直ぐにダム湖を渡る新川尻橋が現れる。今日の予定はこれを渡らずにそのまま進むルート。しかし、無情にもそこは侵入禁止。ここから目的地まではざっと2km強。いつもなら歩きでも全く問題ない距離である。でも、今日は早く孫に会いたいのでなるべく早く到着したい。良く見ると、侵入禁止ではあるものの、単にバリケードを置いているだけ。周りには誰も居ない。ここは失敬するに限る。怒られたらその時はその時。バイクを潜り込ませゆっくり進む。するとその先から工事区間が始まっている。どうやらR417の新道を造っているようだ。新しい橋ができている。そこをうっちゃって、そのまま奥へ進む。しかし、ここからはさすがに状況が一変する。落石・落木・流水・苔。慎重に慎重に進む。やがて、小さな橋が現れる。ここもバリケード。ま、ここが矢中谷の入口なので、橋の手前で谷沿いをさらにゆっくりと奥へ。道路脇にはまだまだかなりの残雪。でも走行に支障は無い。ここからは直ぐだ。ハハーンと言うのが見えて来た。意外とすんなりと到着した。周囲は鹿の糞だらけ。身支度を整えていると、何やら音が聞こえて来る。何だろうかと思いつつ、ふと対岸を見ると、なんと大きな猿が居る。どうやら私を警戒して、威嚇しているかの様。こうなるとさすがに一人では心細い。でも、猿は吠えながらゆっくり急斜面を登って行く。なるべく、それを見ないようにして下流側の谷へ降りて行く。少し離れて全景を見ようとすると、冬枯れとは言え、やはり白っぽい木々が少々邪魔。上流側へ抜けると、こちらは案外邪魔が無い。たぶん、アーチ内部はRCのようであるが、両ポータルは見事な石積みである。一応、石橋として計上しておく。まずまず、満足。

下流から

上流から

こんなのをGET!!