岐阜市三輪神社からR94を戻り、さらにR418交差点から北へ向かい、その先ちょと複雑な交差点を右折、即左折して細道を北へ向かい、大矢田神社を目指す。こちらは武芸八幡宮参道の比では無く、大丈夫かいなと心細くなるほど延々と登って行く。そして、右手上方に華堂神社という小さな祠がある所でP。その先に幅広の階段が10段ばかしあり、その上にさらに細い階段が続いている。と、思ったらそれが太鼓橋であった。要するに、幅広階段に続いて同じ幅の谷川を跨ぐRC床板があり、その中の極一部分に太鼓桁ユニットが置かれているという状況。この太鼓橋は、ここ一月ほど見てきたどの太鼓橋とも趣が異なる。長さはそこそこあるのだが、なんせ細い。3径間であるが、桁組みはほんのお飾り程度。つまり、強度的にはほとんど不要ということか。面白いのは、橋板は全面を覆っている訳では無く、最下段が階段状になっていて、その大きな段差を一枚の板を立てることで塞いでいるのである。これは実に不思議な構造である。そもそもこの手の太鼓橋はいわゆる神橋であり、一般的には通行禁止であり、それが故に全く人が歩いて登るということを念頭に置いていない。従って、階段を設けること自体有り得ないことなのである。それなのに階段状のものがある。この点が不思議である。全体的な造りは実に緻密で、鑿の跡などどこにも見られない。全くの現代版太鼓橋である。 |