2014.07.21(月)晴れ 3連休の最終日。今日は、朝一で倶利伽羅峠の西に点在するレンガアーチ群をチェックした後、金沢市内に戻って兼六園と金沢城跡及びその周辺に点在する石アーチのチェックが主目的。その後、無理をせず15:00を最終時刻とし、それまでにいくつか回れたらと言う予定である。今日は朝から抜けるように晴れ上がり、とにかく暑い。
1.(仮)富田橋梁 河北郡津幡町富田ト
石アーチ(JR北陸本線)
今朝も6時に出発。何と、ここの1階は24時間営業の中華の店。朝の5時頃からは朝飯を食べることができる。目玉焼き2ヶと海苔と納豆に味噌汁。ご飯は丼に大盛だったが、さすがにぞっとする量なので半分以下に減らしてもらった。それでも、最後は辟易しながらもやっとの思いで飲み込む。料金は、朝食付き税込で2900円也。
まずは、富田橋梁へ向かう途中にある波自加弥神社をチェックするもこれは
RC。似たような感じでその少し北にある日吉神社もRC。先を急ぐ。津幡駅を過ぎると北陸本線は大きく東へと向きを変える。このR215は線路の直ぐ隣を走るので、実に都合がいい。道の駅を過ぎてその先、NAVIが示すそこには、白い手摺がありハハーン思わせるような雰囲気がある。そこから法面側の植生の中を覗き込むもレンガ色は見えない。何となくRC壁が見えているような気がする。とにかく、中へ潜るべく思案した結果、道路下流側から何とか滑り落ち、上流へ向かう。すると、石積み基礎の上にRCアーチ。なんだ、レンガじゃなくてRCじゃん、とは思うものの、植生の中をよくよく眺めているとRCはアーチ部分のみと判明。その両側壁は全て切石積みである。と言うことは、オリジナルは輪石アーチで、その後アーチ部分のみ補修を受け、現状はRCアーチと言うことのようだ。と言うことでやや強引だが、帰りがけの駄賃で、これを輪石アーチに分類することにする。尚、石積み部分は奥行き5mほどで、その奥は全てRCBOX。 径間1.98m、内高約3.1m

この立ち位置の背中側から、植生につかまりながら降りることが可能

高さがあるので草刈りはできません。従って、ポータルの様子はほとんど見えません
なんと、私は朝一でここを訪れたものの、RCじゃんとがっかりして撮影もせず次に回りました。でも次の広畑橋梁が同じようにアーチ部のみ同様の補修を受けていることが分かり、なんとなく過去のいきさつを想像し、戻る時に再度ここへ潜り込んだと言う笑えない事実があります。実は、この時期ここへ降りるのは、勇気が要ります。
2.広畑橋梁 河北郡津幡町越中坂ハ
レンガアーチ(JR北陸本線)
富田橋梁には失望し、R215をさらに東へ向かう。所々法面を潜る怪しい箇所があるが、全てRCBOX。直ぐに倶利伽羅駅が近づいて来る。駅は法面の上にあるので、駅への細道を登って行く。駅を過ぎると直ぐに下りに入る。ものの100mほどで左手に細道が現われ、奥にレンガ壁が見えている。ここもアーチ部分はRCとなっており、先ほどの富田橋梁と同様の補修を受けたことが分かる。尚、このレンガ部分の上は現在では線路は通っておらず作業用の道路として機能しているようだ。尚、その奥にはレンガ橋台が続き、少し離れて現橋が続いている。ひょっとして、レンガ橋台が追設された時点でアーチ部が補修されたのかもしれない。 径間2.17m、内高3.06m

ここを軽トラックが入って行きます

結構雑な補修です。レンガのままの方が良かったのでは、と勘繰りたくなります
3.(仮)若宮橋梁 河北郡津幡町坂戸ロ
レンガアーチ(JR北陸本線)
この駅前道路は短く、広畑橋梁の直ぐ先で右下に折れて行くのだが、その折れ曲がる地点に若宮橋梁がある。やっとまともなレンガアーチの出現である。奥行きはかなり長い。その奥はRCBOX拡幅。このポータル上部にはレンガ積が明らかにせん断破壊を受けたような形跡がある。上部が2cmほど手前にせり出しているのである。この部分のレンガ色は大変きれいなままであることから推察すると、かなり以前にせん断破壊が起こり、上部がずれ出すことで地下水が下側のみに沁み出すようになり、黒く白く汚れて行ったのではないかと。 径間1.83m、内高約2.18m
4.大谷橋梁 河北郡津幡町坂戸
レンガアーチ(JR北陸本線)
若宮橋梁を後にして、下のR286に出る。すると直ぐに旧道部分の入口があり、そこを進む。ほどなくR286への合流点があるのだが、その手前にRCBOXが口を開けている。中を覗き込むと奥に黒いアーチが見える。ここは北側大部分がレンガアーチで、その北側ポータルは湿っぽく、苔と弦状の植生に覆われてレンガ色はほとんど見えない。しばし、草刈りと苔の剥ぎ取りに専念する。すると黒々とした5層アーチが顔を出した。この大きさで5層アーチとは、ちとぜいたくか。
径間
1.87m、内高約2.55m

左上、植生に隠れて銘板があります
この後、倶利伽羅トンネルまでの区間に大岩橋梁があるはずなのだが、この区間をゆっくり2往復するも発見できず、今回はあきらめることにする。この時点でやっと8時を回った頃である。やはり、早朝6時から行動できるのは大変ありがたい。
2018.10.20(土)小雨・くもり 私の津での仕事はどうやら来年の春ぐらいで終わりになりそう。と言うか、もう終わりにしたい。要するに、後、半年ほど。そこで、これまで一度も走ったことの無い東海北陸自動車道で富山・石川方面に行きたいと思っていたのだが、冬場はここをバイクで走る訳にはいかない。となると、冬が来る前に行くっきゃない!と言う訳で、急遽決行することに。朝の4:45津を出発。まだ、真っ暗。真上に、大好きなオリオン座がクッキリ。リゲルとシリウスの青白い光が神々しいほど。
5.(仮)大岩橋梁 河北郡津幡町坂戸
レンガアーチ(JR北陸本線旧線跡)
前回、倶利伽羅峠の西に点在するレンガアーチ群をチェックしたのは20147月。この時大岩橋梁の場所が何としても見つけることができなかった。4年後の今日、その雪辱を果たすことに。今回は高岡側から西へ進む。R8から左分岐して旧道に入ると、一瞬で前回の記憶が蘇って来る。いつも思うのだが、記憶と言うのは実に不思議だ。思い出そうといくら努力しても思い出せない場合でも、それに関連した写真なり、その場所なりをチラと見ると一瞬で蘇り、次々と当時の事が思い出されてくる。その余韻に浸りながら下って行くと直ぐにチェックポイントが近付いて来た。何のことは無い、道路の直ぐ北側である。と言うか、すぐ目の前に見えている。当時、私が必死で探していたのは南側の現路線の下だった。旧線跡と言う情報は全く飛んでしまっていたのだ。而して、やっとご対面。レンガポータルはかろうじて見えているものの、激藪である。しかも、目の前なのに手が届かない距離がある。川床は結構深い。仕方なく数枚撮影しただけで良しとして、一旦はバイクに跨ったのだが、未練が残る。念の為にグリップが無いかどうか再度覗き込んでみる。やっぱり何も無い。道路橋の下にも無い。では現路線はどうか。道路を渡ってそこを覗き込む。すると、何と言うこと!グリップがあるではないか。錆び錆びだが、no problem。今日は最初から長靴を履いて来ている。小躍りする思いでグリップを降りる。薄暗い中を上流へ辿ると、異様に背が高いレンガアーチの下に来ることができた。今回はいつものウエストポーチは持って来ていない。