2011.09.25(土)晴。3連休の最終日。高崎市のホテルスワを朝6:30に出発する。天気は悪くない。昨夕方訪れたが日没のため撮影できなかった大橋を再訪した後、上信越道に乗り上田へ向かう。
1.長谷寺石門 ちょうこくじ 上田市真田町長
アーチ石門
上信越道を上田菅平で降りる。R144を北上し、私の憧れの地であった真田に初めて踏み入る。しかし、はっきり言って狭い。いやいや狭いなんてものじゃない。平地が無い。全てが急な斜面である。米作が全ての元だった当時のことを思うと、よくもまあこれで生活できたもんだとあきれるほどの狭さ。仮に真ん中に立って、オーイっと叫べば真田村全土に声が届くのではないかと思えるほどである。しかし、今日の私には感慨に浸っているほど時間の余裕は無い。あわただしく長谷寺へと向かう。恐ろしいほどの急坂を朝日に向かって登って行く。ちょうど斜面の傾斜と太陽の高度がぴったり一致しているのだ。かなり登って、バイクをPして参道階段を一歩一歩ゆっくりゆっくり登って行く。今日は涼しいなんてものじゃない。私は手袋は夏用だったのでここまで来る間にすっかりかじかんでしまい、真っ白になっている。階段を登りながら何とか暖めようと努力する羽目に。やがて、朝日の中に細い逆U字がユラユラと浮かび上がって来る。たったこれだけのことであるが、私の小さな目標の一つがこれで達成できた。アーチ頂上にはくっきりと六文銭(六連銭)。このアーチは、いわゆるリブアーチである。数を数えるのを忘れていたが、たぶん、鉛直部+アーチ片側の2本、左右合計で4本のリブから成り立っていると思われる。西側の階段参道の木々が邪魔して青空に浮かぶアーチを撮影することはできない。
3.越戸神社参道橋 上田市越戸 こうど
真田の郷から降りて来て千曲川まで一気に下り、R143を西へ向かう。仁古田から左折し、直ぐに川沿いに上流へ向かう。やがて越戸地区の中心部と思われる所へ到達。しかし、一体はかなりの丘陵地で神社などどこにあるのか全く分からない。ウロウロしていると、一軒の農家で脱穀作業をしていたので、すみませーん、ごうと神社ってこの近くにありますか?エッ!ごうと?ですか?さーぁ??知らないようなので、この地区は何という名前ですか?こうどです。こ・う・ど。そこでやっと私が間違って記憶していたことが判明。頭から、ごうとと思い込んでいたのだ。何のことは無い、直ぐそこの杉の木が見えている所ですよ。目と鼻の先なのだがこれが全く分からないのだ。参道と言うほどの明確なものは無い。鳥居の向こうに細溝を跨いで円弧桁4枚が置かれている。素朴なもんだ。
2.山家神社参道橋 やまが 上田市真田町長
1枚桁
長谷寺から急坂を滑り落ちると、その直ぐ右手が山家神社である。両側に杉並木が続く参道をゆっくりと登って行く。直ぐに小さな太鼓橋が見えて来る。太鼓状にはなっているが、実際は大きな一枚橋である。削り出しによるものなのであろう。両脇には添橋というか蓋状の桁石も置かれている。少し遅れてきた女性3人組が本殿前までやって来て、屋根の上にある六文銭を指さして歓声を上げている。やっぱり女性の間でも真田の六文銭は人気があるようだ。
8.竹室眼鏡橋 / 9.竹室桁橋
石アーチ / 桁 上田市真田町本原
そして、さらに奥へ進むと懸案だった竹室眼鏡橋に無事到着。前回は情報が無かったので全く気付くことも無かったが。極く普通の田舎道にある。時刻は7:20。朝陽が正面から差し込み、どうやってもうまく撮影できない。近づいて斜めに構えてやっと太陽を遮ることができた。基礎石の積み方が独特である。通常であれば四角い石を積み木の様に組み上げると思うのだが、種々雑多な形状の石を実に丹念に積み上げている。隙間ができないような工夫が随所に施され、それはそれで見事である。ちょうどこの川に降りる所に、どう言う訳か四角い穴がポッカリと開いている。中は物置として使われているようだが、れっきとした石桁橋と思われる。駄賃として計上しておく。
径間
1.8m、内高約2.1m、環厚34cm
2020.04.03 再訪を果たす。
10.瀬沢橋梁 上田市大屋-岩下
石アーチ(しなの鉄道)
海野宿を抜けて先を急ぐ。やがて大屋駅を過ぎてその先、右手にポッカリとアーチ状の開口部が見える。瀬沢橋梁である。簡単に降りることができる。鉄道橋梁に共通している、端正で律儀な石積みである。ビッシリ緻密。中を吹き抜ける風が実に心地いい。径間2.45m、内高2.73m、環厚39cm
17.誉田別神社参道橋 上田市本郷
上田市中心部の探索を終え、西側に入って行く。この辺りには、上田電鉄別所線と言うのが走っている。その大学前駅の西方、R65がグルッと向きを変える所に小さな誉田別神社がある。もっと立派なのを想像していただけに、なーんだと言う感じである。東側参道入口に小さな桁橋。この後、少し南の方にある生島足島神社へ向かうも、若干期待はしていたのだが、見事に外れ。
22.湯端通の石橋1号橋 〜 24.湯端通の石橋3号橋
1枚桁 / 1枚桁 / 2本桁 上田市鹿教湯温泉
実は、眼鏡橋は温泉街からは一段低い所に架かっていて、そこへ降りて来る間にちらちら桁橋が見えていた。ちょうど湯端通と言う案内も出ていて、入口に1基、少し入った左手に2基、合計3基を計上しておく。
18.諏訪神社参道橋
上田市中野
生島足島神社からは西方へ少し進むと諏訪神社と言うのがある。運悪く中は工事中で、鳥居の前には業者の軽トラ。ま、他にも駐車スペースはあるのだが、確かに車でやって来ると、そこに停めたくなる。その軽トラの奥に小さな3枚橋。
19.出浦瀧神社参道橋 上田市岡
桁    でうらたき
諏訪神社を終えて10:25。どうやら午前中で何とか上田での予定を終えられそうな感じである。次の出浦瀧神社へと向かう。ここはちょと遠い。おまけに山の上の方にあるみたいである。近づくに連れて先が思いやられる。完璧にNAVI任せで、やっと山裾へとやって来たもののまだ1kmほど細道を登って行かなければならない。と思っていると、狭い道からやや広い道に出る所で右手に赤い鳥居が現れた。なんでこんな所に鳥居が?と思ったが、ピンと来た。これって出浦瀧神社の鳥居に違いない。バイクを停めて鳥居の下方を覗き込むと石桁が見えている。たぶん、間違いないと思う。上まで登らなくてもいいと思うとホッとする思いだ。
20.別所神社参道橋 上田市別所温泉
いよいよこれから山手へと入って行く。上田での終点が近づいて来た。その入口のような所が別所温泉。温泉街の北外れの上の方に別所神社と言うのがある。急坂を登って行くと、ここも神社まではそこそこあるなーと思っていると、何のことは無い。目の前の参道入口にあった。
これで後は鹿教湯温泉を残すのみ。
21.鹿教湯温泉の眼鏡橋 上田市鹿教湯温泉
石アーチ   かけゆ
NAVIは遠回りの広い道(おまけに有料部分もある)を示すのだが、冗談じゃねーや、とばかり、R177に踏み込む。ところがどっこい、この道が曲者。ものすごいクネクネ道。これじゃ時間がかかり過ぎるとは思うものの、もう後の祭り。結局40分かかって鹿教湯温泉に到着。目指す石橋は文殊堂の参道にあるに違いないと決め打ちし、真っ直ぐそこへ向かう。するとズバリ、ビンゴであった。それは温泉街から五台橋と言う屋根付きの橋を渡った先にあった。小柄だが緻密な石積みである。簡単に降りることができる。ただし橋を抜けた先は絶壁である。私が中で撮影をしていると、上から黄色い声が降って来る。オッチャン何してるの?危なくないの?上を見ると小さな女の子が見降ろしている。私も降りていい?と聞いて来る。これは子供とは言えキチンと説明した方がいいと思い、事情を話すと、フーンと納得して離れて行った。どうやら、対岸にある共同温泉から親より先に出て来てウロウロしていたらしい。ま、とにかく午前中で全ての予定を無事にこなすことができてホッと安堵の想いである。 径間1.81m、内高約2.15m、環厚35cm
2016.07.18(月)晴れ 駿甲信34日の旅、4日目最終日。連日の疲れもほとんどなく、上田市北部の鉱泉旅館で日の出前に目覚める。5時に起きて、まずはコーヒーで朝食。いつものように6時に出発。今日は午前中で上田市内の予定を全て片付けるつもりで、長躯、奈良まで戻らなければならない。試練の日である。昨日まで曇り空だったのだが、さすがに今朝は晴れている。でも気温が高くないのがせめてもの救いだ。
4.大星神社参道橋 上田市中央北3丁目4
太鼓桁
大輪寺へと向かうべくR18から右折して南へ下って行く。すると右手の長々と続く杜が気になる。ちょと寄り道をしてみる。すると大星神社とある。鳥居の前に変わった形状の石の塊がある。桁板を3段に重ね合わせたものだが、おそらく、これで石橋を表現していると思われる。強いて分類すれば、太鼓桁となる。たぶん、初めてお目にかかる代物である。
5.大輪寺門前橋
上田市中央北1丁目5
そして、直ぐ南にある大輪寺へとやって来た。参道終点に一風変わった形状の池が広がっている。緩い階段が始まるのだが、その手前にかなりの存在感で桁橋が架かっている。ご丁寧に極厚の桁板と参道との接点には、歩き易いように桁板を斜めに削る処置が施されている。ご苦労なこってす。しかし、この池に囲まれて、石橋と石段とその向こうにある大きな門の配置は非常に印象的である。ヘーッと言う感じである。全然悪く無い。
6.出早雄神社参道橋
上田市真田町本原
上田市街をいったん離れて、5年振りで真田の里に入る。あれからもう5年も経っているのである。あの時と変わらぬのんびりとした真田の街並み。出早雄神社へと登って行く。入り口に立派な桁橋があった。
7.瀧宮神社参道橋 上田市殿城
太鼓桁
出早雄神社からは目と鼻の先に瀧宮神社はある。鳥居を潜ろうとすると、目の前を大変尾の長いきれいな鳥がパタパタと飛んで行く。まるで私を待っていたかのよう。きれいに撮影しようと一歩近づくと。ポンと一枝後ろに下がる。なんと、これを数回繰り返す。名前は全く分からないが、悪い気はしない。参道の奥にヨレヨレの小さな石橋が横たわっている。両サイドも石で塞がれていて中が見えないのだが、橋板の雰囲気からして太鼓桁と思われる。まさか、3枚リブアーチってなことは無いと思うが。ちょと気になる。
11.青木神社参道橋
上田市蒼久保  あおくぼ
瀬沢橋梁の北側は蒼久保地区。その中程に青木神社があるのだが、NAVIが無ければ到達できないんではないかと思えるほどの細道迷路。参道の奥に小さな2枚橋。まだ9時を過ぎたばかりだが、早くもおやつ休憩。幸い木陰は涼しい。風がいい感じである。冷たい水でのどを潤す。
12.信濃国分寺寺務所門前橋 上田市国分
大屋駅の先には信濃国分寺駅がある。その少し北に信濃国分寺本堂と言うのがある。ここは確証は無かったのだが、期待を裏切られず合計4基の石橋に巡り逢えた。本堂北側には見事な蓮池が広がっており、ピンク色の蓮の花にしばし心を和ませる。
13.弁天堂入口橋 14.弁天堂前橋
1枚桁 1枚桁
15.本堂裏橋
16.荒神宮南橋 上田市諏訪形
2枚桁
国分寺を後にし、千曲川を西へ越える。左岸側の土手路を進むと左手に荒神宮の小さな杜が見える。狭い路地にちょいの間失敬して中に入る。桁橋があるとのことで探し回るがそんな雰囲気は無い。さらに本殿の裏手をグルリと回っていると、そこにあった。しかし残念ながらたぶんRCと思われるのでパス。せっかくやって来たのだがらと、入る時に奥に見えていた小さな自然石2枚橋を計上しておく。
2020.04.03(金)晴 恒例のくるまみち隊長との鉄道路線コラボ探索。世の中、コロナウイルス惨禍に戦々恐々としているが、そもそも、我々の探索ヶ所は人の居ない所ばかり。時には、携帯電話の電波も届かなかったり。そんな辺鄙な所にウイルスなんか居るはずも無く、予定通り決行。今回は、信州東部。
25.第一前川橋梁 上田市踏入1丁目-国分1丁目
レンガアーチ(旧信越本線・しなの鉄道)
上田市の公園の中ほどにもレンガアーチが残されているかも。坂城町から一気に上田市中心部のさらに南へ。千曲川右岸に公園が見えて来た。どこにあるか分からないので注意して左前方を見詰める。すると、鉄道高架橋の下にあった。確証が無かっただけに、オオーッ!アッタァー!と二人同時に大声が。その先にうまい具合にPできるスペースがある。歩いて戻っていると、いきなり、ゴォーッとすごい音がして電車がやって来た。なんと、それは新幹線かがやき。そーか、この高架橋は新幹線のものだったんだ。レンガアーチは4層。たぶん、初めてのことだが、2層だけ焼過レンガが使われている。残念ながら下に降りることも、向こう側に回ることもできない。アーチ環の厚さを50cmとして、目見当にて径間を辿ると、約3m

これは、隊長からいただいた写真