上信越道を上田菅平で降りる。R144を北上し、私の憧れの地であった真田に初めて踏み入る。しかし、はっきり言って狭い。いやいや狭いなんてものじゃない。平地が無い。全てが急な斜面である。米作が全ての元だった当時のことを思うと、よくもまあこれで生活できたもんだとあきれるほどの狭さ。仮に真ん中に立って、オーイっと叫べば真田村全土に声が届くのではないかと思えるほどである。しかし、今日の私には感慨に浸っているほど時間の余裕は無い。あわただしく長谷寺へと向かう。恐ろしいほどの急坂を朝日に向かって登って行く。ちょうど斜面の傾斜と太陽の高度がぴったり一致しているのだ。かなり登って、バイクをPして参道階段を一歩一歩ゆっくりゆっくり登って行く。今日は涼しいなんてものじゃない。私は手袋は夏用だったのでここまで来る間にすっかりかじかんでしまい、真っ白になっている。階段を登りながら何とか暖めようと努力する羽目に。やがて、朝日の中に細い逆U字がユラユラと浮かび上がって来る。たったこれだけのことであるが、私の小さな目標の一つがこれで達成できた。アーチ頂上にはくっきりと六文銭(六連銭)。このアーチは、いわゆるリブアーチである。数を数えるのを忘れていたが、たぶん、鉛直部+アーチ片側の2本、左右合計で4本のリブから成り立っていると思われる。西側の階段参道の木々が邪魔して青空に浮かぶアーチを撮影することはできない。 |