2011.07.03(土)くもり。昨日は会社のテニスの試合に人数合わせのため駆り出された。結果は予想通りメロメロで後悔先に立たず。今日は終日曇りで山沿いではにわか雨との予報。でも今日こそはと兼ねてよりの課題だった山梨県の発電所水路橋の探索に出かける。高速休日上限1000円が廃止されたが、だからと言って首都圏では高速を使わない訳にはにっちもさっちもいかない。京葉・難解な都心環状を何とか潜り抜け、正に真っ暗な中を潜り抜けると中央道方面に出ることができる。渋滞も無くスイスイと進み、都留IC着までわずか1時間半。あっけない到着である。R139に出て南へ向かう。
1.谷村発電所鹿留川水路橋 都留市鹿留 ししどめ
コンクリートブロックアーチ
R139のノロイことノロイこと、やっとの思いで鹿留入口という交差点に到着。左折するとその先にちょっとした川がある。たぶんこの川の下流辺りだろうと左岸側を下るも芳しくない。戻って今度は右岸側を下ると、どうやら取水口らしき物があり、その先に緑の金網に覆われた水路が続く。間違いない。その突き当り上流側に出ると、下の方に2連の水路橋が見えている。釣り人が3人、わずかな間に2匹も釣れた。そこはちょっとした滝になっており、それ以上近づくことはできない。あきらめて下流側に進む。100m程先に小さな工場のような建物があり、その入口にうまいことP.できる。そこから急斜面を降りると無情にもRC護岸。ロープは持っているがかなりやばくあきらめる。今度は上流側にそろそろ進む。するとその難解なRC護岸が急に終わり、薄暗い中急斜面が川底まで続いている。結局無事に滑り落ち、川をトラバースし上流へ向かうと見事な2連が見えて来た。滑る石ころに足を取られながらもアーチ下まで到達。一般に、水路橋は上部の水路部が大きく全体的に非常にマッシブである。この橋も正にその通りで極めて重厚感あふれる見事なものである。レンガでは無く全て切り石による石造り欠円アーチ橋である。輪石は大きく、隙間なくびっしりと積まれ、ピラミッド状に突き出た要石が印象的だ。水切り形状はあまり尖ってなく、基礎石分の高さしか無い。橋の上流下流とも川底は水平にしっかりと整形されており洗掘対策はバッチリのようである。 径間9.63m
2018.12.01 再訪を果たす。今回、実は驚きの新発見があった。隊長は言う、「これって、コンクリートブロックアーチ、ですね」 エェーッ!ホンマーァ?・・・アッ!ホンマヤー。恥ずかしながら、前回も石アーチを全く疑わなかった。

隊長と比較すると重厚感がひしひしと
3.長安寺前橋
都留市上谷3丁目6
鹿留水路橋からR139に戻り、さらにR139を北へ戻る。さらにR139の1本東側の山沿いの細道に入る。ゆるゆる進むと右手に大きな寺がある。山門は工事中だが何となくその辺りの雰囲気が古風で悪くない。長安時とある。その入口に桁石が並べられている。
4.円通院山門前橋 都留市中央3丁目5
さらに細道を北へ進むと、今度は異様な建物が連なる変わった感じのお寺がある。これが目指す円通院である。それにしても何とも言いようの無い変わった雰囲気である。門を潜ると直ぐ右手の池に元坂の石橋がある。でも子供達が遊んでいるので後回しにして、正面の山門に目を向けると下に気持ち円弧気味の白い桁橋が掛かっている。その左手P入口にも桁橋がある。下を流れる水はきれいで、鹿留水路橋で泥だらけになった長靴を洗う。冷たさが心地良い。
5.円通院山門横橋
6.円通院梵鐘前橋
さらに山門右手には梵鐘があり、その前にも桁橋。工事中なので倉庫が置かれているが。
7.円通院境内南橋
さらに南側入口から入って来た所にも目立たないが桁橋がある。
8.円通院元坂の石橋 3径間桁
そして元坂の石橋である。この橋はこの場所に移設されたもので3径間桁橋である。ステン製の高欄に緑の金網はかなり味気無い。まるで興醒め。気持は分からないでもないが、こんなことする必要はあるのだろうか。せっかく移設保存されているのに、本来の趣旨に沿わない保存のされ方だと思う。
2018.12.01(土)晴 この季節、陽が暮れるのが早い。近畿圏に比べると山梨はさらに早い。16時になるとかなり暗くなる。リニア実験線の下にある道の駅つるで、長い夜を過ごし、凍て付くほどではないが、奈良の真冬並みの寒さの朝を迎える。真上には半月。今日も完璧な青空。
2.谷村発電所取水口設備 都留市鹿留-桂町
石アーチ・レンガアーチ樋門
今日は、R139沿いの探索である。今日は隊長にとっては初めての、私にとっては懐かしい再訪の水路橋がターゲット。まずは、鹿留水路橋。この辺り、8年振りだが記憶はかなり鮮明だ。降りる場所も、川をトラバースしてから上流へ向かうのも、まるで昨日リハーサルをやったようにバッチリだった。して、私はシッカリ石アーチと思っていたのだが、隊長が輪石をジックリ観察すると、これはコンクリートブロックですね。確かに。改めて良ーく観察すると、この橋はやっぱり抜群の存在感。重厚感タップリ。その水路橋を後にして、上流に見えている取水口のチェックに向かう。今回ジックリ観察すると、いくつもの石アーチやレンガアーチが見えている。
11.駒橋発電所落合水路橋 都留市古川渡−井倉
7連レンガアーチ
R139をさらに北へ向かう。やがて禾生駅という案内が出る。これは読めない。が、かせい、と読むらしい。その禾生駅入口から下って行くとちょっとした橋を渡る。その橋の上から右後ろを振り向くと見事なレンガ造り水路橋が見える。駒橋発電所落合水路橋である。大小7連はものすごい迫力である。ただ、大変日当たりが良い所なのでレンガ表面はやや色褪せたような印象を受ける。朝日川を越える部分が大きな3連で、やや欠円。水切りは石積みの半円柱。それに続いて畑・水路・道路・細水路を越える各1連が続く。一番東の細水路を越える部分は、径間1.83m、内高1.85mでほぼ半円。道路部分は、径間3.64m、内高2.25mでかなりの欠円。水路と畑も欠円。畑部分はかなり埋もれている。残念ながらこの時期朝日川には降りることができない。導水路側壁は垂直では無くやや台形となっており、等間隔で補強用の柱構造が見られ、これが全体を引き締めるアクセントとなっている。水路橋部分はオープンだがそれ以外の導水路部分には緑色の金網フェンスがきっちりと被せられている。ちなみに禾生駅西方の取水口と思われる方向を辿ると見事な構造物が見られるのだが、如何せんこの辺りの地形は段丘状になっていて、川底へは降りることができない。
9.西涼寺参道橋
都留市中央4丁目1
円通院の先は、この細道はガクッと西へ折れ曲がる。その先右手に西涼寺。参道が左手から延びている。そこにちょっとした桁橋が架かっている。珍しくここは車も通ることができる。
10.生出神社参道橋 都留市四日市場
R139に出てさらに北へ向かう。やがて右手に神社の杜。一旦は通り過ぎたが、念の為と思って引き返すと小さな円弧桁橋があった。おいでと読む。
13.駒橋発電所導水路脇水路横断橋
レンガアーチ 都留市井倉
導水路を下流側へ辿ると緑の金網フェンスが延々と続くのだが、遠望するとその両脇に小さくレンガアーチが見えている。気になるので近づくと、細い水路が両脇にはあり、この上を横断する道路橋の橋台的な感じでレンガアーチが造られているようだ。しかし、よくよく見ると道路橋とは縁が切られているようでもある。と言うことは細い水路を跨ぐ橋と考えても良さそうだ。ちなみに右手欠円部は、径間0.91m、内高1.11m、現在水は流れていない。左手の半円アーチまでチェックに向かう気力は無かった。遠景で見えている高架橋は、JRが研究を進めているリニアカー実験線である。
12.駒橋発電所落合水路橋南取水口橋
石アーチ 都留市井倉
東側から落合水路橋中心部に近づくには、一旦道路部分を南に潜って、そのまま水路沿いにさらに南へ抜けなければならない。そこには水路の取水口があるのだが、これが石アーチとなっているようだ。水路に降りる訳にはいかず、さらに水量が多く内部を確かめることは不可能だが見た目石アーチである。水門は2連。小さな渦を巻きこんで吸い込まれている。