昔一度だけ行ったことのある大磯ロングビーチを左手に遠望し、東海道本線を小田原に向かう。駅を出ると小田原城正門方面はこちらですよと親切な案内板があった。その通りに進む。やがて右手前方からにぎやかな音楽が聞こえて来る。堀端の狭い歩道は大勢の人でごった返している。どうやら夏祭りをやっているようだ。おまけに小さな提灯(たぶん子供の手作り)が堀の中歩道沿いに高く延々と並んでいて、自分の子供の作品を見つけようとする親子連れでごったがえしているようだ。私のお目当ての眼鏡橋は一体どこにあるのだろうかと気は焦るが前に進まない。小田原提灯はあまりにも有名だが、こういう形で手作りの提灯をよくもまーぁこれだけ並べたものだとあきれるやら感心するやら。ようやく一段落した南の方に提灯の隙間からチラとアーチが見える。でもやはり提灯が邪魔してなかなか撮影ポイントが見出せない。それは馬出門桝形に架かる石造りアーチ橋である。あまり大きくは無い。輪石は大きい。石垣の途中にポッカリと開いたトンネルと言う感じである。下から全く近づけないというのでは急速に興味が失せてしまう。現金なものである。それにズームアップ写真を見るとアーチ内面は何となくRCのようにも見える。
辺りは夕立前なのか真っ暗である。急いで昼食のパンとコーヒーを食し、早々に駅に向かう。すると絶妙のタイミングで豪雨が襲ってきた。正に間一髪。 |