2011.06.11(土)雨。今日は雨である。従って、バイクは休み。こういう時、大都会東京は電車網が完備しているので便利である。むしろ、市街区域の探索の場合、バイクはその信号の多さと一方通行の不便さとコンクリートジャングルにより見通しが利かない等々の理由で難渋することが多い。今日は大田区の京急沿線へと向かう。定期券と組み合わせると片道わずか360円で済む。
1.貴舩神社参道橋 大田区大森東3丁目9
石アーチ
ここは、分かりにくい。それほど迷った訳ではないが、遠くから見える訳でも無く、古い住宅街は迷路のような小路が網の目のように張り巡らされ、それなりにあちこちに緑が有って惑わされ、それやこれやですんなりとはいかなかったが、方角的には間違っていなかったので結果的に北西入口に無事辿り着いた。奥に目指す太鼓橋が見えている。雨に濡れて黒光りする地肌が印象的である。まずは、南側正面入り口に回りパチリ。正面から見ると、参道及び太鼓橋は本殿の中心線から少し東側にずれている。私は、こういうことが妙に気になる性質で、なんかこう、うーっと悶えてしまう。一直線だったらスッキリするんだがとチラと思う。この太鼓橋は構造が不明だったが、いわゆる太鼓桁では無く、完璧な輪石によるアーチ橋である。それも見事なまでの均整の取れたすばらしい造形である。重厚なソリッド高欄と四角い擬宝殊も含めて、まるで精巧な工芸品を見る思いだ。コンパクトであることもそういう思いに拍車をかけているような気がする。要するに、工芸的キット製品を目の前で組み上げた、という感じである。輪石は6個のみ。幅方向へは1枚なので全部で6枚である。元々は水路を跨いでいたと思われる。今日は、幸か不幸かそのくぼみに雨水が溜まり雰囲気としては悪くない。良く見るとこのくぼみに対してわずかではあるが軸線が斜めであることが分かる。ということは、やっぱり水路だったのであろう。
径間
1.5m、1.81m、内高約0.6m、環厚0.18m
6.松濤園根庵北橋 7.松濤園根庵西橋
1枚桁 2径間桁
さらに進むと、西郷隆盛・勝海舟会見の碑と言うのがある。有名な江戸城無血開城の交渉を行った場所である。残念ながら当時の建物は残っていない。下って東側に回り込む。鈍庵を過ぎると根庵の前に一枚橋が見える。橋とは言えないようなものだが計上しておく。そのそばの石には寄進者と思われる人々の名前が彫られている。その直ぐ下流にはややオレンジ色をした2径間桁橋が架かっている。亀島のそばには立派な太鼓橋があるのだが石橋では無い。サギは40分の間その場所を動くことは無かった。ご苦労なこった。
この後、痛む右足を引きずりながらもJR大森駅まで歩き、さらにその先の大森貝塚まで歩く。
3.池上本門寺理境院門前橋 大田区池上1丁目
六郷神社を後にして池上本門寺を目指して歩き始める。真北へほぼ4km。多摩川土手を傘を差してトボトボ歩く。時々マンションのPにお邪魔して地図を広げて道を確認する。結局、多少迷ったものの1時間20分で総門に辿り着く。総門を潜ると正面に長い階段が待ち構えている。そこにある古い写真を見ると、今渡って来た橋は元は石橋であったようだ。ここ本門寺は石橋の情報は皆無だったのだが、何かあるかもしれないと思って来てみると、階段前左手に理境院というのがあり、門前に桁橋が置かれている。少し斜橋である。
2.六郷神社参道橋 大田区東六郷3丁目10
太鼓桁
京急六郷土手駅の北東600m程の所に六郷神社はある。正面鳥居前に黒っぽい太鼓橋が有る。周囲は全て明るい石畳で、この太鼓橋の左右も高欄様の物で挟み込んでおり、中身の状況は全く見ることができない。これは残念である。果たして、太鼓桁なのかそれとも輪石アーチなのか。側面からは全く想像することさえできない。橋板の並びを見ると、ほぼ中央部で一直線(何枚かの板が少しだけずれているが)となっており、太鼓桁が合計3条と判断しても良さそうな気はするが。貴船神社の参道橋を見た直後としては、断定することに躊躇せざるを得ないような気になるが、一応、輪石アーチではないとしておく。
境内に入ると左手に西参道が伸びている。その辺りの一画は庭園風になっており、雨に濡れて葉っぱの緑がきれいだ。ひょっとして桁橋があるのではないかと覗き込むと小さな狛犬が一対置かれている。なんだ、狛犬かー、っと、通り過ぎようとしてふと案内板が目に留まる。それを読んで改めて見入ると実に愛嬌のある表情をしている。狛犬とは大体が恐ろしげな顔をしているものだが、この狛犬は実にユーモラスな顔をしている。一応、あ、うんは踏襲している。こういう狛犬を造る人も造る人だが、それを置くことを許可した神社側もなかなかシャレタ考え方をしたものだ。私も思わずニヤッとしてしまった。イヤイヤイヤイャー、これってなかなかいいもんですね。
4.池上本門寺松濤園松月亭下橋 5.松濤園松濤之滝下橋
2枚桁 1枚桁
理境院は階段の下である。実は少し前から右膝の後ろ側が痛み出したのだが、構わずにこの長い階段を登って行く。上からは多少は木々に邪魔されるも結構見晴らしは良い。大きな仁王門を潜ると右手に総合案内所がある。なんせ初めての場所である。まずは境内案内図を求めると滅多にお目にかかることの無い恐ろしく立派なA3の案内図を出してくれた。それを見ると右奥に松濤園と言うのがある。松濤園へは入れますか?と聞くと、今の案内図に5つのスタンプを押して朗峰会館に持って行くと入ることができるとのこと。要は境内の要所要所をしっかり拝みなさいということのようである。痛む右膝をかばいながらもせっせと回る。これがかなり広い。おまけに朗峰会館へは急坂を下って距離もある。やっと辿り着くと案内の女性が慇懃に迎えてくれる。床にはきれいな絨毯が敷かれている。今度は松濤園の案内図を渡してくれて、こちらへどうぞ。私は気が引ける思いでそぉーっと絨毯の上を横切りガラス戸を潜り抜ける。すると目の前、正確には目の下方に濃い緑の木々に囲まれた池が広がっている。小堀遠州作と言われている庭園である。これまでの疲れがいっぺんに吹き飛ぶ思いだ。中央やや左手奥に亀島があり、その先端の岩の上に一羽のサギが陣取っている。結局、私はこのサギを右手に見ながらグルリと一周することになる。右回りで進むことにし、まずは左手に降りて行く。やがて左上に松月亭という東屋があり、その直ぐ下に2枚橋がある。松月亭でゆっくりと昼食のジャムパンを食し、コーヒーを飲み、蚊に刺され、さらに進む。すると松濤之滝の直ぐ下流にも一枚橋がある。が、ここは入れない。
2012.05.01(火)曇り。4連休の4日目。今日も近場の都心龍探索と思いきや、今日は巷は休日では無かった。いつもは快適に走ることができる湾岸R357は大渋滞。今日はたぶん早々に終わると思っていたので、ちょいとゲートブリッジを走ってみることにした。ところが、これが大正解。要するに今までは三角形の2辺を走っていたのが、ゲートブリッジを使うと三角形のわずかに1辺を走るだけで大井まで行くことができるのだ。おまけに眺めはバツグンである。ただし、このゲートブリッジ、路側帯は無いし、ガードレールは低いし、風除けも無いし、強風時は、バイクでは怖い思いをするだろう。
8.池上本門寺宝塔裏墓地橋
太田区池上2丁目10
ほぼ1年振りで池上本門寺にやって来た。今日は前回訪ねなかった本門寺周辺を歩いて回ることにして、まずは西側に降りてみる。そこには赤い宝塔が建っている。周りが墓地と木々だけに、この赤色は極めて目立つ。屋根の下に何やらニョキニョキと緑色が突き出ている。龍の首である。どれだけあるのか数えるのもアホらしい。でもとにかくキレイ。その宝塔の裏手の階段を登った中段に小さな1枚桁橋がある。
増明院-龍 大田区鵜の木1丁目15

玉が左側にあるのは数が少ないですね
9.池上本門寺大坊坂下橋
太田区池上2丁目10
宝塔を後にして坂道を下る。すると一番下に桁橋がある。隣には大坊坂との案内棒がある。
10.池上本門寺大坊本行寺参道橋
太田区池上2丁目10
大坊坂を降りて直ぐ北には、その名も大坊本行寺がある。その入り口に現代版桁橋がある。ゆるい円弧桁橋だが、上面は水平になるように荒削りされている。

これって、龍じゃ無いのかな?
11.芳心院墓所橋 12.墓所石門
太田区池上1丁目19
本門寺を半周程して再び上に上がり、他に何か無いかなと五重塔から東へ向かう。すると妙見堂と言うのが有る。龍が居そうな雰囲気なのだが、結局どこにも居ない。その東隣に、堀に囲まれた結構な広さのお墓の様な一画が有る。堀に囲まれていると言うことは、ひょっとして桁橋でもあるのではないかと思って回り込むと、ビンゴであった。がっちりとした見事な2枚橋である。説明によると、家康の孫にあたり・・・とのこと。その説明板の後ろ側には、大きくは無いが関東では珍しく石門が有る。これも駄賃として計上しておく。
太田神社-龍 大田区中央6丁目3

玉を持っています
狛犬で親子2匹というのは大変珍しいです
養源寺-龍 大田区池上1丁目31

玉を持っています
照栄院-龍 大田区池上1丁目31

親子2匹
本妙院-龍 大田区池上1丁目33

玉を持っています

ボタンですね。 大きくて、フワフワで、色々な色があって
池上本門寺長栄堂-龍 大田区池上1丁目1

光が当たる所では金網の存在がうるさいですね。玉を持っています。
池上本門寺本堂-龍 大田区池上1丁目1

キンキラキンですが、きれいですね

これって龍ですかネー!?

ちょと、オマケ。 ご苦労様です。 重たいでしょうネー、何年頑張っているんでしょうか。
池上本門寺手洗所-龍 大田区池上1丁目1

これまで、この手の龍は撮影しなかったのですが、これも、オマケ
池上本門寺五重塔-龍 大田区池上1丁目1
実相寺-龍 大田区池上2丁目10

顔が見えませーん。 こんなのってどういうつもりなんでしょうか
厳定院-龍 大田区池上2丁目10
是方神社-龍 大田区池上1丁目15

この玉は俺のもんだゼ、渡さねーヨ

ちくしょうめ、こんな恰好じゃ動けねーしなー、足がぁ、欲しい!
光明寺-龍 大田区鵜の木1丁目23

こういう構図は珍しいです。 後ろ足がくっきりですね

これは、玄武ですね

白虎でしょうね。でも、体の模様が、なんか気持ち悪い

と言うことは、これは、朱雀
2012.06.24(日)うすぐもり。今朝は昨日の仙台日帰り強行軍の疲れから心行くまで朝寝坊するつもりだったのに、無情にも目が覚めたのは5時半。しかも、何故かすっきりと目覚めてしまい、結局起きてしまった。でも、何となく昨日のデータ整理をするのも億劫で、雨も降らないことだし、近場ということで太田区の六郷水門及びその対岸の川崎大師のチェックに向かう。
今日もゲートブリッジ越えである。
13.三輪厳島神社・福神銭洗弁財天前橋
2枚桁 大田区大森東4丁目35
いつもは、大きな大森東交差点を直進(環七)するのだが、今日は初めて左折。第一京浜に入り、即左分岐してR131産業道路に入る。この左手奥に貴舩神社があるのだが、そこを通り過ぎると左手に小さな神社がある。一旦は通り過ぎたが、何となく気になり、一方通行地獄をなんとか切り抜け神社東側の細路地に戻って来た。三輪厳島神社とある。やっぱり龍が居た。そういうことかと納得して、ふと右手を見ると銭洗弁財天の赤い幟がある。まー、ついでだからと近づいて見ると、2枚橋があった。おまけに小さな龍も居る。なーるほど、そういうことかと、妙に納得する。ただし、銭洗いとは言え、一滴の水も無い。もし、銭洗いをしたい、なーんてことを言う人が居る場合はどうするんだろうかと、余計な心配をしても始まらないか。ということで行きがけの駄賃を恵んでくれたことに謝謝。

誰が乗っているんでしょうか?弦楽器を持っていますネ
14.六郷水門 大田区南六郷2丁目34
レンガ水門
三輪厳島神社で龍に巡り会えたので気を良くし、その後めぼしい神社寺社をチェックするも、あまり芳しくない。それに、これでもかっ!というしつこい一方通行地獄に業を煮やし、そろそろあきらめて多摩川土手にやって来た。その土手をきっちり区切るようにレンガ水門と大きな青緑色の金属製ゲートが見える。土手の上は、自転車・歩行者・ランナー、それこそ老若男女が行ったり来たり、結構なにぎわいだ。土手の上に上がると河川敷では運動に興じる人、裸になって日光浴をする人、この汚い水面に釣糸を垂れる人、大勢の人達が、それぞれの休日を楽しんでいる。東京には案外とこういう場所が多い。葦原からは鳥の鳴き声がうるさいほど聞こえて来る。奈良の自宅周辺で聞く鳴き声と同じ鳴き声を聞くのは、何となく、あれっ?と言う気になる。ゲゲゲ・ギギ・ゲゲゲー・ググ。まるでガギグゲゴの発生練習をしているようだが、おせじにもきれいな声では無い。これが、ほんと、うるさい。残念ながら鳥の名前には疎い。この水門は翼壁のレンガ曲線がなかなかいい。埼玉県ではごく普通に見かける水門形式だが、東京では珍しい。それに、さすが多摩川土手に設けられただけあって、レンガ水門としては実に大柄だ。上部のゲート昇降設備を覆っている古びた丸っこいRCの建物も何となく明治・大正風で存在感がある。
浜竹天祖神社-龍 大田区西糀谷3丁目19
自性院・牛頭天王堂-龍 大田区本羽田3丁目9

琴を弾いているのを聞いているんでしょうねー

右手は折れています。尻尾からお尻・両足が良く見えています。
非常に珍しい構図です

背中のトゲトゲの形が異なっています
15.稗田神社参道橋 大田区鎌田3丁目2
川崎大師からの戻りに、まだまだ時間があるので、第一京浜の西側いわゆる鎌田地区に踏み込んでみる。R11の東側に稗田神社がある。参道入り口に真新しい真白な桁橋がある。水路は無く、地面にベタッと置かれた状態。小さな高欄は古い。