2012.1.29(日)晴れ、風強し。今日はものすごい風だ。単に強風と言う表現が当たらないほどのすごい強風である。今日は神田須田町からJR中央線沿いに新橋駅方面へ歩くことにする。この区間には延々と続く多連レンガ製高架橋が連なる。東京駅の両側部分は既に撤去されている部分が長いが、それ以外では現在でもかなりの数が原形を留めているようだ。ただし、各アーチの中は、ほとんどが事務所・店舗・レストラン・飲み屋・倉庫・駐車場・etc.として幅広く使われており、工事中の物はあるが、何も利用されていないレンガアーチはまず存在しないという状況である。特に有楽町駅から新橋駅にかけては、ほぼ全長に渡って緩くカーブを描く多連レンガアーチ群を見ることができる。尚、今日のルートは、ほとんどが高架橋の西側を辿ることになる。東側はRCで拡幅されており、レンガアーチはほとんど見ることができない。こうして、レンガアーチだけに注目してゆっくりと歩いて行くと、その場所場所に応じてその場所ならではの顔が有り、風情が有り、栄枯盛衰もあるようで、面白い。約3時間の旅である。
2012.2.5(日)晴れ。今日はバイクによるプチ探索。浅草寺雷門の大提灯の下に眠る龍を撮影して神田川に架かる昌平橋へ向かう。東京レンガ高架橋の一番北に位置する紅梅河岸高架橋を撮影してひとまず一段落とする。
今回探索したデータに加えて、以前レポートしていたものも再度掲載し、北から順に並べるものとする。
東京レンガ高架橋配置図
1.紅梅河岸高架橋 千代田区神田淡路町2丁目
JR中央線の昌平橋から御茶ノ水駅に向かう所に4連のレンガアーチがある。4連の続きもレンガ壁となっている。非常にシャレた装飾が見られる。店の雰囲気も良く、外観がうまく調和している。この坂道は淡路坂と呼ばれ、上の方からは学生さんと思われる若者が大勢降りて来る。
28.第2源助町橋高架橋 千代田区新橋3丁目24
今日の最後のレンガ高架橋は長さが50mにも満たないほど短い。ここも目立たない。直ぐ南には第一京浜国道が走っている。
3.第2小柳町橋高架橋 千代田区神田須田町2丁目
これは、秋葉原駅から万世橋を南え越えた今日の最初のレンガアーチである。JR中央線が神田・万世橋間でゆるくカーブする地点である。ちょうど5年前に一度レポートしており、その頃は銘板が表示されていることも知らずに、神田須田町高架橋という名称としている。ということで、再度ここへレポートしておく。

名称がはっきり示されている場合は、御覧のように名称と始まりの右矢印が表示される。

解像度が悪くて定かではないが、終わりの位置には左矢印が表示される。
2.万世橋高架橋 千代田区神田須田町1丁目

今日数えてみると20連であった。

こちらは南側。紅梅河岸高架橋と同じ装飾が施されている。
4.第1小柳町橋高架橋 千代田区神田須田町2丁目
この辺りは、レンガアーチの原形が色濃く残っていて、ある意味貴重な部分であると思う。アーチとアーチの間のいわゆる橋脚部分には、要所要所に石積みが配置され、かなりの装飾が施されている。さらに、高架橋最上部には、全高架橋に渡ってほぼ統一された装飾が施されている。アーチリングの積み方もほぼ統一されているようである。

この積み方に名称があるのかどうかは分からないが、独特の積み方。
この積み方は全アーチに統一されている。ちなみに環厚は約
56cm
5.黒門町橋高架橋 千代田区鍛冶町2丁目11
これも以前、ちょうど2年前にレポートしている。各レンガ製多連高架橋は、主要道で区切られた内側部分に設けられており、その区画の大きさに応じて長かったり短かったりしている。この道路部分には、レンガ製橋脚の上に古風なトラス橋やI型桁橋が架けられており、名称はほぼ統一されていて、○○架道橋あるいは○○ガードとなっている。このレンガ製橋脚端部には丸く石積みが施されていることが多い。この石積みは、もちろんコーナー部の補強目的が主と思われるが、これがなかなかいいアクセントを放っており、レンガ積みを引き立たせる役目もあるようだ。
6.第2鍛冶町橋高架橋 千代田区鍛冶町2丁目13
ここは、アーチと言うよりは桁構造と言うかRC床版構造のようである。ここは神田駅の北口。
7.第1鍛冶町橋高架橋 千代田区鍛冶町2丁目13
8.新石町橋高架橋 千代田区鍛冶町2丁目14
建設当時の古い写真によれば、4連を確認できる。
この高架橋シリーズでは、町橋という名称が使われているが、まち、ではなく、ちょう、と読む。従って、この場合は、しんこくちょうばし。
9.千代田町橋高架橋 千代田区鍛冶町1丁目2
建設当時の古い写真によれば、やや不明確だが、8連を確認できる。
10.西今川町橋高架橋 千代田区鍛冶町1丁目1
ここも、RC床版構造のようである。建設当時の古い写真によれば、3連を確認できる。また、今川小路とある辺りは何となく下町の場末の飲み屋街という感じで、休日の昼間は実に寂しいものがある。ここは、そもそも道灌川という川があった場所で、そこが埋め立てられて川幅も狭くなり、最終的に現在の姿に変わったようである。
11.(仮)第2本銀町橋高架橋 中央区日本橋本石町4丁目2
ここは、名称が不明である。しかし、1本道路を挟んだ直ぐ南側から第1本銀町橋高架橋が始まるので、第2本銀町橋高架橋としておく。長さはほんのわずかしか無い。建設当時の古い写真によれば、4連を確認できる。西今川町橋高架橋と同じようにRC床版構造のようである。
12.第1本銀町橋高架橋 中央区日本橋本石町4丁目3
ここも非常に短い。建設当時の古い写真によれば、3連を確認できる。ほぼ原形を保っているようである。
13.龍閑河岸橋高架橋 中央区日本橋本石町4丁目1
ここは、名称が不明である。が、まず龍閑河岸橋高架橋で間違いないだろう。1スパンより向こう側へはフェンスがあって行くことができない。さらにその向こうは直ぐに神田川で終わりである。建設当時の古い写真によれば、2連を確認できる。
14.(仮)大手町橋高架橋 千代田区大手町2丁目4
神田川を南へ越えると様子がガラリと変わる。西側からはレンガ色は見ることができない。東側は拡幅高架橋の向こう側に薄暗くレンガアーチが確認できる。ここは、名称が不明である。
15.(仮)銭瓶町橋高架橋 千代田区大手町2丁目5
ここは、名称が不明である。呉服町ガードの直ぐ南側に2連確認できるが、ここから東京駅南側の、はとバス乗り場まではレンガアーチは見えない。
16.(仮)鍛冶橋高架橋 千代田区丸の内1丁目11
東京駅の南側にやって来た。はとバス乗り場の辺りはアーチは連なるのだがレンガ色は見えない。RCではないかと思われる。その直ぐ南側に鍛冶橋寄高架橋との表示はあるのだが。皮肉なことにこの表示の南隣にはその先の鍛冶橋の交差点まで続くレンガアーチがあるのである。ところが、このレンガアーチ、大方は手前の店に遮られていてほとんど見えない。おまけに名称も分からない。ここでは鍛冶橋高架橋としておく。
17.第四有楽町高架橋 千代田区丸の内3丁目6
東京フォーラムの目の前にあるのが第四有楽町高架橋。ここは今までの高架橋とは随分と雰囲気が異なる。はっきり言ってレンガ表面が相当に汚れている。橋脚の上部の意匠が独特で丸い物に変わる。ある意味古い雰囲気をそのまま保持している感じである。
18.(仮)第三有楽橋高架橋 千代田区有楽町2丁目9
東京フォーラムの南端の向かい側にあるのが第三有楽橋高架橋。ただし、正式名称は不明である。有楽町駅の北端である。中は雑然としている。
19.第3有楽町橋高架橋 千代田区有楽町2丁目9
ここは、早い話が有楽町駅そのものである。橋脚上部の例の丸い中には古風な照明が取り付けられている。アーチリングには石?が使われているが、これは表面だけかもしれない。レンガ表面には赤い塗装が施されている。
20.有楽町中央架道橋 千代田区有楽町2丁目9
第3有楽町橋高架橋に続くのが有楽町中央架道橋。ここは、昔の雰囲気が色濃く残り、ほとんど飾り気も無く独特の空間が広がる。
21.第2有楽町橋高架橋 千代田区有楽町2丁目4
有楽町駅の南端部分が第2有楽町橋高架橋。ここはレンガ壁面の前面に様々な物が埋め尽くすが、良ーく見るとアーチリングの一部を見ることができる。
22.第1有楽町橋高架橋 千代田区有楽町2丁目1
有楽町駅が終わると新橋駅に向かってズラリとレンガアーチが連なる。この眺めは圧巻である。そして、何よりもの特徴は橋脚上部の意匠である。小窓風の3つの小さなアーチと2つの迫石とその上の細いアーチが独特である。さらにアーチリングの上端下端を初めとして随所に配される黒いレンガ。レンガの表面をきれいに磨けば素晴らしい眺めが実現すると思われるがどうであろう。
23.内山下町橋高架橋 千代田区内幸町1丁目7
帝国ホテルの前から始まるのが内山下町橋高架橋。ここは、レンガアーチの下側にさらに分厚く補強アーチが施されており、空き家が目立つ。
24.内幸町橋高架橋 千代田区内幸町1丁目7
内山下町橋高架橋と同じような雰囲気でさらにレンガアーチが連なる。
25.二葉町橋高架橋 千代田区新橋1丁目13
新橋駅の北端部にあるのが二葉町橋高架橋。ここは長さも短く、前面道路幅も狭く雑然としている。この南端部のアーチの中に入ると独特の造りが見える。写真では今一だが実際に見ると異様な眺めである。
26.烏森町橋高架橋 千代田区新橋2丁目17
ここは、新橋駅そのものである。
27.日陰町橋高架橋 千代田区新橋3丁目25
日陰町という名称は好きではない。その言葉を象徴するように、雰囲気は明るくは無い。橋脚の意匠も無く、全体的に飾り気が全くない。