2011.09.23(金)くもり、雨。今日から3連休。栃木・群馬・長野を巡ることにする。朝は珍しく寝坊して、出発は7:40。予定より1時間は遅い。結局この1時間の遅れは後できっちり跳ね返ってくることになる。那須塩原市・大田原市・日光市を後にして宇都宮市へ向かう。
1.操橋 宇都宮市操町
石アーチ
水車橋の後、R119日光街道を南へ向かう。この日光街道は片側1車線で広くは無いが両側にびっしりと並木が連なっており、雰囲気は悪く無い。やがて宇都宮市街に入り、右手に中央公園がある所に到達する。その500mほど東に宇都宮女子高がある。正門前にバイクをP。そこから中を覗くと石橋が見えている。しかし、何となくやっぱり入りづらい。直ぐ向こうには、たぶん卒業生と思われる女性が2人ペチャクチャ話しながら歩いて来る。意を決して中へ踏み込む。いわゆる大谷石が使われているらしい。御影石のような白っぽい石である。親柱にはくっきり操橋と刻まれている。側面に回ると、落下防止のためであろうか金網が2mほど張り巡らされている。欠円アーチで、いわゆる壁石に相当する石がほとんど無い。橋面は斜め格子状にきれいに敷き詰められ、ある意味美しさを感じる。
2.鬼怒橋橋脚石アーチ 宇都宮市石井町
石アーチ
宇都宮女子高からほぼ真東に向かう。中心街を突き抜け、やがてR123は鬼怒川に差し掛かる。新鬼怒橋の上流側に鬼怒橋はある。バイクで近づくにはかなり遠回りになるので、ここから歩いて降りて行く。この橋脚の石アーチも見事である。細長の輪石は非常に安定感を感じる。通常の石アーチではこの手の細長輪石はほとんど使われないので、私にとっては極めて新鮮な印象を受ける。那珂橋の埋もれた橋脚と同じ手法である。壁石の積み方も実に見事。一般に、道路橋にしろ鉄道橋にしろ、橋脚のレンガ積・石積はいつ見ても実に丹念で極めて緻密である。これまでレンガ積橋脚は数多く見てきたが、純粋な石積は数が少なかったように思う。それにしても、この鬼怒橋の長いこと長いこと、一体いくつ橋脚があるのやら。
2011.12.18(日)晴れ。JR宇都宮駅の西側にあるホテルサンルートの駅を望む東側の部屋で目覚める。まだ真っ暗。でも徐々に駅の向こう側がオレンジ色に染まり始め、見る見るうちに明るくなり、日の出は6:42。昨日はほぼ終日晴れていたので、今朝は相当冷え込んでいる。今日は、日光を越えて初めて足尾町に入ることにしている。当然、凍結が予想されるだけに、昼頃峠を越えるくらいのつもりで朝はゆっくりと過ごす。
3.宝木用水二宮堰石橋 宇都宮市徳次郎町
合掌桁
宇都宮市街の要所要所をチェックするも、あるのは霜柱だけ。その霜柱をジャリジャリ踏みつけて意識して歩きまわる。さらに、予定に入れていなかった大谷石の壁面が連なる大谷公園にも足を延ばしてみる。そして、頃合いを見計らって、R293を北上する。やがてR119に左折、さらに北へ向かう。ここは徳次郎町。変わった町名である。ここには、あの二宮尊徳さんで有名な二宮堰があるので、どんな所かチェックに向かう。何か案内があるだろうとは思っていたが、見過ごしてしまい、R77への分岐標識を見てあわてて引き返し、再度北上する。そして、注意深く右手を注視していると、やっと案内板を発見。こんな小さな案内板では、見落として当たり前。とにかく細道に分け入り、表示に従って二宮堰公園へと降りて行く。二宮堰そのものは大したことは無い。問題はその堰(用水路)にある合掌桁の構造物である。取水口から100mほど下流にあるのだが、私の眼には橋で間違いないと思う。水路幅は2m程だから単なる桁橋でも良さそうなものだが、まともに考えれば、何故合掌桁にする必要があったのか。これである。しかし、それはともかくとして、この合掌桁は、規模といい、丁寧な造りといい、見事である。これまで見て来た中で一番見事な合掌桁である。今日は防寒ブーツなので僅かな水深だが直接降りる訳にはいかない。ところが、うまい具合に上流側に太い木の根っこが引っ掛かっている。そーっと降り立ち中を覗くと、水面への写り込みが見事な六角柱を形成している。偶然の賜物とは思うが、お見事。たぶん、大谷石が使われていると思う。
2018.07.21(土)晴れ。何故か今日から4連休。造船所特有の夏場の電力需要の多いこの時期の連休である。例年、梅雨明けのこの時期の連休を利用して遠出をしている。今回は関東地方。2012年末、東京単身赴任が終わった後、新たに入手した情報のチェックである。今回は、新東名厚木から圏央道を経由し、久喜から6年振りで東北道を北へ向かう。まずは佐野藤岡ICで降りる。
4.逆川の石橋 宇都宮市下小池町
石アーチ
栃木市を離れ北へ向かう。高速は使わない。完璧にNAVI任せ。R293・R119と乗り継ぐ。R119に入ると不思議なもので、6年前の記憶が何となく蘇って来る。そーだ!ここ、走ったことがある。と、思っていると右折しろと言う。R77に入ってその先、薄暗い木立の中を降りて行く。パッと一面の田んぼが広がる。その先に石橋があるはずなのだが、真っ平らで何も見えない。長靴を持って行くも、履き替えるほどでもない。柔らかい畦道をゆっくり進む。バッタやカエルや様々な生き物がピョンピョン飛び跳ねて逃げて行く。やがて、向こうに真っ直ぐな小川が見えて来た。そして、右手を見やると、確かにあった。ほとんど輪石だけの石アーチである。草茫々。踏み跡も無い。要するに、現在ではほとんど使われていないようだ。水深は深い。降りる訳にはいかない。 径間約5m
5.永代橋  えいだい 宇都宮市下平出町60番
2連石アーチ
喜連川を後にして、宇都宮市中心部近くへと戻って来る。鬼怒川の少し西側の、田んぼの中にパラパラッと民家が点在する全く静かな一画へとやって来た。目の前に何の変哲も無いRC橋。川には葦類が背高くビッシリと埋め尽くしている。ここに2連の石アーチがあると言うのだが、ホンマカイナー、と言う情けない雰囲気。橋の下を良ーく見ると、何となく輪石が見える。上流側は幾分マシで、2連であることが分かる。果たしてこの植生をどうしたもんかと、しばしあきれていたが、意を決して上流側から降りてみる。硬い葦だが、踏みつぶすようにすると意外やポキッと折れてやや平らになってくれる。しばし格闘すると、やっと撮影に耐える程度は見えて来た。たぶん、大谷石が使われているのではないかと思う。 径間約2.7m x 2連、環厚27cm
6.錦の石橋 宇都宮市錦1丁目
石アーチ
永代橋を後にして、いよいよ長かった今日の最後の目的地、錦へと向かう。今夜のホテルを確認しつつ、西へ通り過ぎ、線路下を潜り、その先を北へ。さらに東へ。田川を越えると直ぐに小さな橋がある。この橋の上にギリギリP。道路南側へ向かうと、目の前に小さな石橋があった。完全に廃景である。水路橋だと言うが、確かに上には何かが載っていたような痕跡はあるものの、今では水路橋と言える状態ではない。西隣は民家、東隣には染色工場。思うに、この染色工場へと水を供給する目的で設置されたのではないかと。 径間3m、環厚28cm