2013.10.12(土)晴れ 北海道2日目は、札幌市のど真ん中時計台近くのホテルで、4時には目覚める。昨日の疲れもなんのその、ゆっくりと朝食を済ませ、チェックアウトする前に散歩を兼ねて、まずは、創成橋へと向かう。空は晴れているのだが、上空からはしきりと小雨が落ちて来る。変な天気、と思いきや、何となく西の方向に眼をやると、そこには大きな虹が出ているではないか。これが、朝日の強弱や雨滴の量にも寄るのだろうが、刻一刻と表情を変え、時に2重アーチにもなり、創成橋のチェックを終えた後も延々と続いていた。
1.創成橋 札幌市中央区
南1条西1丁目-南1条東1丁目-南2条東1丁目
石アーチ
ホテルを出て、まずは大通公園へと向かう。直ぐだ。大通公園の東端にテレビ塔がある。大きなデジタル時計があり、7:06と表示されている。その東側で南北に走るのが創成川通りである。真ん中を創成川が北へ向かって流れ、創成川の西と東はそれぞれ北行き・南行き一方通行道となっている。テレビ塔から南へワンブロック行った所に架かっているのが創成橋。現状は、創成橋本体中央部はRC製のようだが、上流側・下流側の歩道部分が石橋となっている。かなり扁平な欠円アーチで、グレーの重厚な輪石が際立つ。この付近一帯は、創成川公園となっていて、緩い流れの両側は遊歩道スペースとなっており、ここから容易にアーチ内部を覗くことができる。
創成橋の下流側・東側袂には、北海道里程元標が誇らしげに立っている。写真を撮り終えて、上流側・東側に立つと見事な
2重虹が見えていた。

テレビ塔前の橋から南を向いて

上流南側です

歩道部分が石橋

空には2重虹の大アーチ、下には創成橋アーチ
2.札幌旧北海道庁入口門 札幌市中央区
北2条西5丁目/6丁目-北3条西5丁目/6丁目
石アーチ門 / レンガアーチ門
創成橋を後にして札幌駅へと向かう前に、時計台を経由してレンガ造りの旧北海道庁に寄ってみることにする。ここは、全く予備知識が無かったのだが、ホテルで仕入れたパンフの写真を見て冷かす気になったもの。正面入口から入ると、朝日を浴びてレンガ色がキラキラと輝いて見える。色とりどりの花壇を前景とした様は全然悪く無い。建物に近付いて見て初めて、建物入口が見事な門構えになっていることが判明。アーチ部分は装飾が施された1条の輪石アーチで、これが3面に設けられ、さらに門を潜って階段を上がった建物入口にも輪石アーチがある。ここまで撮影してようやく屋根上や建物全体の様々な装飾に目が行くようになる。いずれも、ため息が出るほど見事である。
北側に回ってみると、やや小振りの門構えがあり、要石を除きレンガアーチとなっている。南側は北側と同様な造りである。唯一西側だけは平凡である。札幌は大都会であり、碁盤の目の街の造りは非常に新しい感じを受ける。そんな中、時計台は木々に囲まれて薄暗くやや色褪せて見え、時計台ってこれなの!?、とやや興醒めの感を拭えないが、この旧北海道庁の建物だけは別格ですばらしいものに見える。

見事な輪石アーチ

北側です。こちらはレンガアーチ門

南側です。北側と全く同じ造り
札幌市時計台 札幌市中央区北1条西2丁目

旅行雑誌等では、ほとんどが一番上の時計部分の写真しか載せていないので、
こうして全体像を見ると、エッ!?これが時計台?? 今一パッとしません
旧第二五ノ戸橋 (アーチ) 札幌市北区篠路町
植物園は9時開園とのことで、先に旧第二五ノ戸橋を目指すことにする。
札幌駅から札沼線に乗り、少し北の方、篠路駅へと向かう。篠路駅の東方
1kmほどの所を南から北へ向かって伏篭川が流れている。この篠路町域のどこかに伏篭川に架かる旧第二五ノ戸橋があると言う。今回の旅の中の大きな目的の一つである。知る限りでは、日本最北の石造りアーチ橋と言うことになるのだが。出発前に付近の地図と航空写真とを見比べて、大小漏らさず橋の場所にチェックを入れ、もしかして移設されているかもしれないので、付近の公園も要チェックと言うことにして、伏篭川を南へ遡ることにする。最初の橋が第二五ノ戸橋である。名前からしてこれが一番怪しい。でもここは鉄橋である。下を覗き込んでもアーチは無し。一つ一つ消し込みながら上流へと向かう。でも篠路町域には無い。帰りには、細溝もチェックするもやはり何も無し。結局のところ、今回の探索行では、旧第二五ノ戸橋は撤去架け替えられて、現第二五ノ戸橋となっているのではないかと言う結論になったのだが、この北の地へやって来て、NAVIを見ながら散々歩き回って、結局くたびれ果てて、虚しいものとなってしまった。果たして現存しているのでしょうか。
幽庭橋 札幌市中央区北3条西9丁目
旧北海道庁の少し西側には、北海道大学の植物園がある。ここには、レンガ造りの幽庭橋があると言うので、400円也を払って中へ入る。水辺を求めてウロウロしながら奥へ進むと、やがて左前方に延びる遊歩道の向こうにポコッとした盛り上がりが見える。これだこれだと早足で近づき側面へと回ると、何となく様子がおかしい。どうもアーチの中が白っぽく見える。ズーム撮影してみると、そこには虚しくRCの壁面にレンガが張り付けられた現実が写っていた。張りぼてである。

今回の函館・札幌の探索行では、石アーチ4基、レンガアーチ1基を目論んでいたが、結果的には、石アーチ3基のみとなってしまった。
3.中島公園日本庭園池橋 4.中島公園日本庭園八窓庵南橋
2本桁 / 1枚桁 札幌市中央区中島公園1
幽庭橋のチェックを終えて当初予定は全て完了だが、まだやっと11:3015:00にホテルで結婚式に出席する大分組と待ち合わせをしているので、まだまだ3時間余り余裕がある。さてどうしたものかとパンフの地図を見ていると、すすきのの南の方に東本願寺札幌別院と言うのがある。函館では門前に石橋があったので、ひょっとしてここにもあるかと淡い期待を抱いて、痛みだした右足首をかばうようにして歩き出す。30分ほどで到着するも、龍は居たが石橋は無し。

気を取り直して、さらに南東方向にある中島公園と言うのに向かう。ノボテル札幌と言うホテルの先から公園に入る。案内図を見ると、直ぐ南側に池を配置した日本庭園と言うのがある。行ってみると池の中にある小島の間に真っ白な
2本桁橋があった。せっかくここまでやって来たのだから、1基も無しでは話にならないので、まずは一安心。さらに遊歩道を進むと、八窓庵の南側でこの池に流れ込む細流が流れ下っていて、そこに円弧桁1枚橋が架かっている。直ぐ上流が小さな滝になっていて、ここから水が流れ下るようになっているが、その部分には桁では無く、飛び石が置かれているだけであった。
東本願寺札幌別院-龍 札幌市中央区南7条西7丁目
豊川稲荷札幌別院玉宝禅寺-龍 札幌市中央区南7条西4丁目
成田山札幌別院新栄寺-龍 札幌市中央区南7条西3丁目
中央寺-龍 札幌市中央区南6条西2丁目
昭和新山 有珠郡壮瞥町昭和新山
大分・奈良・大阪・岩手と散らばっている兄弟姉妹・甥・子が、珍しくもこの札幌の地で一堂に会すことになった。結婚式の翌日は、一同レンタカーに乗り込み、時間の許す限り近くを巡ることにした。期せずして目的地が一致したのが、何故かこの昭和新山。想像していたのと実際とでは大きな違いがあったが、正に怒迫力!!実に生々しい地球の息吹を感じる光景である。百聞は一見に如かず、とは良く言ったもんである。
これを見ただけで北海道に来た甲斐があった!!と、一同大満足。

有珠山へと登るロープウェイからは見下ろす形となります。
正に異様な光景。元は畑だったと言うから驚きです。

05が昭和新山、でも、メインは有珠山と洞爺湖。奥に見えるのが羊蹄山
登別温泉地獄谷 登別市登別温泉町
室蘭市で行列ができると言う大王ラーメン屋(カレーラーメンが有名)で我々の前に並んでいた子供が登別温泉地獄谷には鬼が居たよ、この一言で、じゃぁ、どうせ戻り道だし、登別温泉に行ってみよう。

温泉天国の大分出身者としては、温泉と地獄はどこにでもあるので、この地獄を見てもそれほどの感動は湧かないのが正直なところ。で、私の目が点になったのは地獄谷を囲む周囲の崖の浸食地形でした。地獄を乗り越えて近くまで行ってみたい!!
樽前山 苫小牧市樽前
登別を後にして延々と海沿いを走るR36を東へ向かう。しばらくすると左前方に黒茶色の焼け焦げたような地肌の雄大な山が見えて来る。写真では今一だが、実際は相当な迫力がある。火山地形が大好きな一同、俄然色めき立つ。こういう時、スマホやタブレットと言うのは実に便利なもので、ピャッピャッと右手を動かすと、樽前山だと直ぐに分かる。で、中央の奇妙な塊は想像通りの溶岩ドーム。上空からの写真まで出て来る。

帰りの飛行機の中からバッチリ見えました。向こうは支笏湖

溶岩ドームです。バリバリの現役
北海道大学ポプラ並木 札幌市北区北12条西10丁目
札幌に別れを告げる前に、北海道大学まで足を延ばしました。目的はクラークさんに会うことです。この北大の広いこと広いこと。一面木々が覆い尽くし、その合間に校舎がひっそりと建っている、そんな感じです。都心の大学からは想像もつかない世界が広がっています。こんな環境で勉強したら、大志を抱くかもしれませんね。
無事にクラークさんには会えたのですが、姉が、そーじゃ、北大にはポプラ並木があるんじゃわ!この一言で一同ポプラ並木を探し始めます。構内を歩いている人に聞いても、たぶん、もっと向こうだと思いますが、はっきりしたことは・・・、関心が無いのか誰も場所を知りません。で、やっと案内板を発見。行ってみると、要するに西の外れで、わざわざ来るような場所でした。観光客は知っていても、今時の学生は全く知らない人も多いのかもしれませんね。

ポプラの木は初めて見ます。普通の木は、枝は横に延びますが、ポプラは真っ直ぐ上に延びています。まず、九州ではお目にかかれない光景です。これも百聞は一見に如かず、ですね
今回の函館・札幌の旅は、結果的に十分満足の行くものになりました。前半は一人旅でしたが、後半はいわゆる身内によるワイワイガヤガヤのレンタカー移動でした。札幌からはひたすらR230を走り洞爺湖まで。戻りは太平洋沿いを苫小牧まで。そして、次は千歳空港まで。そこから先は雨の中を高速で札幌市内まで。7人乗りレンタカーに6人乗車。ガソリン代・高速代まで含めて合計で約16,000円也。
天気は今一でしたが、定山渓の見事な黄葉から始まり、その後は必然的に火山地形・温泉地を巡る形になりました。唯一、火山地形とは異なり、西側から眺めた室蘭の鉄錆びた情景は衝撃的でした。コンビナート有り・製鉄所有りで、正に近代日本を支えて来た工場群が今ではそれなりに寂れており、何となく物悲しさを含んだ光景が今でも網膜に焼き付いています。
余談ですが、昨今、JR北海道の様々な問題が連日TV・新聞紙上を賑わしています。私も函館から札幌までスーパー北斗13号と言うのに乗りました。これが揺れるんです。半端じゃないほど揺れました。いわゆる横滑りですね。ツイスト運動あるいはスゥエイ・ヨー運動と言えば工学系・船舶運動学系の人には想像できるかもしれません。これって、今問題になっているレールスパンが広がっていることが原因だと思います。スパンが一定していないことが大元に有り、はたまた、地盤の不同沈下も拍車を掛け、これに車体のバネ系が同調し、あの不気味なツイスト運動になっているんでしょう。JR北海道の管理体制がやり玉に挙げられていますが、思うに、あの広大な北海道で、全ての路線をビシッと維持管理するのは至難の業ではないかと思います。金と労力を投入すれば何とかなるとは思いますが、それだけの物量をつぎ込んでしまえば、そもそもJR北海道の経営が成り立たないのではと下司の勘繰りをしてしまいます。私は、JR北海道の肩を持つわけではありませんが、マスコミは厳しく突っ込みますが、これは相当深刻な問題を含んでいると思います。一言で言えば、言うは易し、行うは難し、です。少しでも改善されればと願うのみです。